伸びるための姿勢

塾生で、東大寺にも受かったけれども北野に進学したという生徒が2人います。そして今年、やはり東大寺に受かったけれども北野に受かれば北野に進学すると言っている生徒がいます。

それで、ネットに発表されている偏差値を調べてみれば、東大寺は78で北野は76でした。

やっぱり東大寺の方が上のようです。

しかし、通うのに近いか遠いかは重要事項で、それで北野を選択する生徒もいるということかも知れません。それに、近年北野は安定して合格実績を上げ続けているので、人気は高まっていると思います。

 

今、新規入塾生の募集期間中で、新しい生徒がどんな生徒かを知るためにどうしても学校名を見てしまいます。

そしてそれはその生徒のレベルを知る上で一つの指標になることは確かです。

しかし、高校入学時の学力とその後伸びるかどうかは必ずしも一致しているわけではありません。

 

では、伸びるために重要な要素とは何でしょうか?

 

もちろん頭がいいかどうかが関係することは明らかです。

でも、私が注目しているのは姿勢です。

 

高校入試レベルだと、点の取り方を知っていれば勝つ場合があります。範囲が狭いので。

しかし、このやり方を求める姿勢は危険です。これを続けるとどこかで行き詰まります。到底、東大・京大の問題が解けるようにはならないと思います。

そういう生徒の解答は、理解の浅さが随所に散見され、なかなか深まりません。

 

この逆のパターンもあります。

桃山高校の高2生で、高3生と同じ直前演習を受けて4回中2回、東大実戦、オープン模試でA判定の生徒に勝っている子がいます。これは驚異的な点数です。

彼の中学生のころの成績は優秀ではありませんでした。いや、もう少し正確に表現すると、悪かったのです。優秀さのかけらすらないぐらいに。

でも、徐々に上がって来たのです。

彼の解答と、他の高2生の解答を見比べるとはっきりとした差があります。決して上手いわけではありません。でも、習い覚えた技術を適用しているだけの解答と比較して、深みがあるのです。学んできたことを自分の言葉で表現できるところまで落とし込んでいることを感じます。

 

こういった差は、頭の良し悪しによるのではなく、勉強に対する姿勢によるものだと思います。

良い姿勢を1年、2年と続けると大きな力になります。仮にどんくさくても。

 

大学入試は中学入試や高校入試に比べて長い距離を走る競争に似ています。付け焼刃では通用しません。

ここで勝てる人になってほしいと願っています。