大阪大の入試で採点ミス

松谷です。

なんと大阪大の入試で出題ミスと採点ミスがあったようです。

大阪大で採点ミスニュース

大学からの資料

そして、繰り上げで、30人が合格になったそうな。

う~む、いろいろなことを思いましたね。。。

①入試問題作成者と大学側の傲慢と怠慢もしくは恐怖

今回の物理の問題については、都合3回物言いがついていたそうですが、2回目までは、スルーというかこちらが正しいですという主張を通したということです。そして、発覚は入試から1年近く後となりました。

もし、私企業であれば、こんなことはあり得ないと思います。少なくとも、チェック機能が働いて、即時対応をします。その対応のスピードと誠心誠意さが欠ければ信用問題になるひいては会社の業績の悪化に直結することをわかっているからです。大学という入試で選抜する側の理論による傲慢さと怠慢さを感じました。しかし、一方で、もし、その入試問題作成者(責任者?)がひとりでその責任を背負いこむ構造になっていたとしたら、間違いを認めることは恐怖でしかないと思います。それを隠蔽してしまうのは、ある意味仕方ないような気がします。それは構造的な問題だと感じます。

大学入試はある意味ブラックボックスです。記述式の採点であれば大学内で隠蔽してしまえるのです。たとえば、京都大学の英作文などどんな採点をしているかかなり不透明です。僕は学生のときに、得点源としている英語での京大のその不透明さが嫌で、東大英語の明朗会計じゃなくて明朗採点に惹かれました。話が逸れました。

ただ、理系科目においては、曖昧さはほとんどなく、基本的に答えが明確に決まるので、自分ができたできないが入試が終わった瞬間に測ることができますし、あまり大学側が隠すことができません。

さらに近年では、入試が終わった瞬間に解答速報は流れますし、あらゆるところで検証されます。さらに、生徒による「入試本番の再現答案」と「開示得点」という二つの大きな要素によって、我々の頃より、はるかに透明度が上がっているように思います。

そんなこともあって、今回の発覚につながったのだとおもいます。

②大学入試における紙一重の実力差での結果のブレ

結局今回は、物理の問5が問題不備により全受験生一律に4点が与えられ、問4は3種類の答えがあり得ることになったため、不正解で0点になっていた人に3点が与えられる場合があるという形だったようです。問5の不備があった問題で、もともと正解になっていた人がどれくらいいるのかわかりませんが、相対的には、問4が出来た人が3点アップするかくらいなのかなと思います。しかし、たったそんなくらいのところに、30人が追加合格しております。さらに、最難関の医学部医学科でも2人追加合格になっています。

合格最低点付近は本当にひしめき合っているというのが、改めて痛いほどわかりますね。実力を最後の最後まで磨き続けたうえで、いかに本番でベストを出すということが大切なのかを感じます。

ちなみに、30人追加合格ということは、本当は、30人が追加不合格だということだと思います。もちろんそんなことはできませんが。

③ほぼ1年間を棒に振ってしまった追加合格者の気持ち

最後に、これを一番感じました。自分がもし同じ立場だったらどうだろう。もし、例えば、医学部医学科に2点差くらいで落ちて、すごくすごく悲しんだけれど、前を向いて、例えば違う学校や違う学部で生きていこうと決めました。いくらかの葛藤を経てやっと馴染んできたその生活、周りの環境、友人など。そんな中知らされる追加合格。どういった心境になるんでしょうか。場合によっては、すさまじくお金が絡んでくる場合もあるでしょうし、人生の選択が変わってくる場合もあるでしょう。う~ん。誠心誠意、追加合格者の感情と利便性を最優先した最良の対応を大学側がしてくれることを願うばかりです。今度こそ傲慢ではないように。