2021東大京大阪大理系数学の所感

松谷です。

受験生の授業が終わったので、先週の金、土はお休みをもらって家で東大京大阪大の入試の数学の問題を解いていました。

解いた順番に感想を。

答えや具体的な数値などは書いてないですが、解き方に関するネタバレなどをほんの少しでも入れたくない人は見ないでくださいね。

 

京大数学

全体:やりやすい問題が多いと生徒が感じるはずです。普段の稲荷塾での演習でやった問題や学校の定期テストやチャートなどの問題集と類似しているものが多かったので、既視感がある問題が多かったです。これくらいやりやすい問題では何が勝敗を分けるかというとミスと記述です。そこを慎重になれたかどうかです。去年の難易度との開きは大きいです。コロナのせいで受験生に配慮したのか?また、ここ2年京大にしては数3だらけになってます。今年は6題中3題半が数3です。今年のは去年と違ってやりやすい数3なので数3だから難しいとか面倒だとかそんなのはないですが。

第1問(1)対称点。稲荷塾生のお家芸的な。

(2)余事象で考える確率。いわゆる包除原理。最後の最後に追加で作ってやってもらった問題の類題だが気付けたか。

第2問距離の最小値。三平方して微分。塊をおいたら少し楽。計算問題。できないと苦しい。

第3問規則性のある無限級数の和。余りによって一般項が異なる。12個で分けて分類すると面倒そうなので、6種類くらいに分けてやるのがよいか。(でも12個でも25分くらいあればできると思います。)ドモアブルの定理を使うのが1番楽でした。類題やったんだけれど覚えていたか。

第4問曲線の長さ。計算問題。学校の定期テスト?しかし、これは部分点が非常にあげにくい。all or nothingですね。。恐ろしい。。。

第5問(1)円周角と中心角の関係、中心は弦の垂直二等分線上にあるを用いれば楽に外心の位置特定。

(2)外心がわかりやすい位置なので垂心の座標が瞬時に座標設定できるのでそれでやればよいかと。似たのをやってもらったし説明したような。

第6問(1)対偶で示すと良いかと。因数分解して因数を考えたらよい。

(2)条件が何をいってるのかよく観察するとf(1)がf(1)/1であることに気付くので、f(x)/xを設定して、ロルの定理が良いかと。恐らく今回のなかで1番難しい。

 

阪大

全体:今年の京大が2くらいの難しさだとすると阪大は体感的には3くらいと感じました。予備校さんはそうではないと言っていますが。。。阪大数学は難易度が安定しません。去年はかなり簡単でしたが今年は去年よりは難しくなったと感じます。一昨年以前よりはとりやすい小問の多さを加味すると少しだけ簡単か。阪大理系数学は10年あれば2、3年は京大より難しくなる印象です。

第1問反比例曲線への接線の考察。最小値を考えるところでは塊を文字でおいて範囲を考察してという一連の流れを正確にこなす。かなり適度な難しさの問題で医学部以外の学部ならこの問題の出来は合否を分けそうに思います。

第2問ベクトルの共面条件を考えたあと、センターっぽい内積計算。この問題とらないと苦しい。計算ミスしないかどうか。

第3問(1)引いて微分してと不等式証明の基本。(2)積分区間が指定されているので素直に積分。(3)(2)はもちろん(3)へのつなぎ。はさみうちと区分求積の合わせ技。tをうまく置くことができたか。(3)は医学部以外なら捨ててよし。

第4問積分の問題のふりをした整数問題。(1)出てきた式を整理して余りで分類して全ての場合を尽くして考えたら良いかと。と思ったらあれっ、因数分解できました。そしたらもっと考えやすかったです。(2)は(1)の因数分解された式を利用して考える。3の因数を割り振って約数の個数の話。因数分解に気付くかどうかが鍵です。正直気付きにくいような。どうなんだろ。この大問できるかどうかは結構差がつくだろうと思われる。

第5問

(1)パラメータ分離されてるので素直に微分して解決。

(2)接線がもう一箇所で接線になってるということで、接線の一致を言えばよい。しかし必要十分ってところが面倒。多少グラフよりとかいった考察を入れていいんじゃないかと。(2)は医学部以外は捨ててよし。もしくは立式だけして逃げるか。

 

東大数学

全体:去年くらいの難易度なのかな。難易度は京大2,阪大3としたら東大は4くらい?でも、小問の(1)とかが誰でもとれるような問題になっているので点数は出やすいかもしれません。配点はわかりませんが、30点くらいみんなに与えてるところからスタートみたいな。全体的に勝負問題が多いですね。手がつかない問題はありませんが気を抜ける問題もありません。

第1問(1)2次方程式の解の配置。

(2)(1)の範囲にa,bが存在するような条件での通過領域。いつもの手順でx,yを定数とおいてやるが、線形計画法だと慎重に議論しないと間違えそうなので、正領域不領域の話にもっていった方が良いかと。類題やったけど覚えてたかなあ。知らなかったらまあまあの難易度で勝負を分ける。

第2問

(1)連立方程式を解くだけ。

(2)複素数平面での通過領域ですが、実際はベクトルの終点の存在範囲という感じの処理を行います。斜交座標の感覚を持ちつつ、ずいっと引きずって平行移動ですね。東大っぽいな。勝負を分ける問題。

第3問

(1)計算問題。因数分解。

(2)定積分。2019第1問を彷彿とさせる計算問題。工夫の余地がありそうでよくわからなかったので、そのまま置換積分したりして計算したら結構な処理量に。簡単といえば簡単なのだが、答えも汚すぎるし合うかどうかは別の話。合わせたら大きい。

第4問整数問題。

(1)mod4の話。(2)(3)これは今回のセットのなかで1番難しいと感じました。全問正解したい人の最後の砦?僕は時間内では分かりませんでした。。敗北。。この問題だけで1時間くらいあればね。。。精進します。。。

(4)(3)の話を使って計算するだけ。(2),(3)できなくてもここだけはやるのはめちゃくちゃ重要。

第5問グラフの考察

(1)増減をつかむためのおきまりの複数回微分。東大は2回以上が当たり前なので、ちょっと回数多くて不安になりそうなところを頑張れたか。

(2)一般関数での解の配置ですね。グラフで視覚化しましょう。

この問題も勝負を分ける難易度。

第6問

整式の問題。

(1)(2)は言われるがままに係数比較したりしながら計算。(3)も片方の因数が0になるようやつのなかでpが有理数になるように考える。何やってるのかいまいち分かりにくいですが。p=0のケースも忘れないように検討しておく。

難しく見えるけど、何やってるのかわからないけど、答えは合いそうな気がします。