進化する稲荷塾の反転授業
y=2x^2+4x+5 の軸は?
と問われたら「 -1 」だと答える生徒が多いです。
しかし -1 は値です。
対して x=-1 は直線の方程式です。
同様に「 f(x) の解」などという表現が解答の中に出てくる生徒がいます。
f(x) は関数です。もちろん解などは存在しません。
f(x)=0 なら、これは方程式で、解を考えることができます。
言葉を正確に用いるということは定義を正しく理解することにつながり、数学の実力を伸ばしていくために不可欠です。
テキストの解答の中でよく質問される部分について説明を加える作業を「テキストの解答の解説化」と呼んできましたが、これをしたことにより、予習がしやすくなりました。
結果として、授業の最初に生徒から出してもらう「予習段階で分かりにくかったところ」が激減しました。
当然、ポイント講義が短くなります。
反転授業を始めた当初1時間以上かけて行っていたポイント講義はしだいに短くなり、50分になり、40分になり、今年度に入ってからは20分程度にしていましたが、それも今では10分程度になりました。「分かりにくかったところ」が出ないので、純粋にポイント講義になっています。重要事項を確認することもありますし、誤解しそうなところをフォローするときもあります。
分かりやすい説明は生徒を分かったつもりにさせるだけで、決してできるようにはしません。
彼らができるようになるためには、できないという現実にぶつからせて、それを克服する必要があることを自覚させることが先決です。
つまり、分かったつもりになっていることの中で、どこの何が不十分であるかを明らかにすることが重要なのです。
そのために、ポイント講義の後は小テスト、演習A、演習Bをします。
そうして生徒とやり取りする中で、その不十分だったところを明らかにし、上に書いたような言葉の誤りを指摘したりします。
グラフを描くにしても、x 軸や y 軸の印や矢印を書かない生徒もいます。これはそんなに重要な誤りではありませんが、誤解が生じないような記述をするという意味ではやっぱり、いいとは言えません。グラフを目盛る必要はありませんが、必要な値は記入すべきです。これも、何が必要な値であるかを把握しておくことが大切です。
こういったトレーニングができるようになり、稲荷塾の反転授業はますます充実してきたと感じています。