稲荷塾の反転授業
数学の授業の効率を上げるにはどうしたらいいのでしょうか?
まず、「板書をし、それを生徒がノートに写す」という作業の時間は授業時間のうちかなりの割合を占めており、この無駄を省くために稲荷塾の反転授業が始まったことは既知のことだと思います。
それから、次に重要な点は「分かりやすい説明はダメ」だということです。
その理由の一つとして、分かりやすい説明をするためには時間がかかり、それが上位層にとっては無駄な時間になるからです。
もう一つ注意しておかなければならないのは、「分かる」ということと「できる」ということが違うということです。何も分かりにくい説明をしようとしているわけではありません。分かった後の「次」を準備することが大切だということです。
稲荷塾の反転授業では予習のための教材として「稲荷の独習数学」を使います。一般の反転授業では映像授業を使うのに対して、稲荷塾では本を使うということです。
これが本当に良かったです。
うまく編集されている映像授業は板書の時間がカットされていたりして無駄を省くようにはなっていますが、本で学ぶスピードには遠く及びません。それに見たいところに飛んだり戻ったりする自由度については本の方が圧倒的に高いです。
「稲荷の独習数学」は私が授業で話してきたこと、要するに伝えたいことを整理してまとめたものですが、期せずして反転授業の予習用教材としてこれ以上のものを見つけるのは難しいと感じるぐらいです。
この予習を前提として授業では
- 予習における疑問の解決とポイント講義
- 小テスト
- 補充プリントによる演習
をして、「分かった」という状態から「できる」という状態に至ることを目指します。
通常授業をしていたときと比べて、非常に効果的な授業ができるようになったと思います。
でも、まだまだ改善の余地があると感じています。
まず、みんなの予習のレベルを上げれば、最初のポイント講義で話す内容が変わると思います。そのためにテキストの解答を解説化するという作業を続けており、それがほぼ終了しました。9月からの下半期には使えるようにできる予定です。
小テストのレベルは事実上いくらでも上げることができます。
補充プリントのレベルも上げることができるし、演習の仕方自体ももっと刺激的に実行する方法があると考えています。
どこまでも上を目指して頑張りますが、そうするとモチベーションが低い諸君はそのままではついてこれなくなるだろうと思います。