高2で演習1に入ろう!
入試問題を解くための基本技術というものがあり、これが身に着いていると標準問題に時間をかけずに解くことができます。
たとえば神戸大学の試験時間は120分ですが、これを私が解けば大体60分で満点を取ることができます。
当ブログではその基本技術を「入試のイロハ」とか「知識と技術」などと表現し、さも簡単であるかのように書いていますが、たとえば高3あるいは高3近くになってから入塾してくる生徒でこれを身に着けていた生徒は1人もいません。どんなに優秀な生徒であったとしても。
つまり、この基本技術は学校で習うようなものではなく、そんなに一般的なものではないということです。
ですが、標準問題を解くときには無類の力を発揮し、東大・京大の問題を解くときにもベースとして必ず必要になってきます。
ですから、まずこれを入れてしまわなければなりません。
稲荷塾では、高3になった段階でこの基本技術が身に着いていない生徒には数ⅡBのテキストを解き直すように勧めます。入試の中心は数ⅡBであり、基本技術の多くは数ⅡBの中に含まれているからです。
それで、通常は半年かけて学ぶこの数ⅡBのテキストを復習するのに高3生はどのぐらいの時間をかけるでしょうか?
1ヵ月です。
高3生たちはどの生徒も1ヵ月でやってしまいます。
そうして基本技術が身に着いてくると、入試問題の見え方が変わってきます。
もちろん理想的には、演習1のクラスで1年かけてこの基本技術を身に着けるのがいいです。そうすると高3になってからそんなに無理をしなくても済みますし、何と言っても理系の諸君は理科に時間をかけることができるからです。
対策が後手後手に回りながら結局間に合わせる生徒もいます。でも、できればそういうぎりぎりの闘いにならないようにしたいし、運頼みの受験も苦しいものです。
ですから、「高2で演習1に入る」が稲荷塾においては重要なポイントになっています。
中学数学を1年でやってしまって中2から高校数学に入るのも、高校受験をした生徒が特別クラスで高校課程を1年間でやってしまうのもこのためです。
その他の途中入塾も、できるだけこの理想形に近付けるようにしたいと考えています。
受験勉強は高3生がするもので、それ以前からするのでは息切れしてしまいますが、それでも、最低限のことはこなしながら、いざ本気になったときにスムーズに受験勉強に入れるように準備したいものだと思います。