新共通入試数1Aを解いてみて

松谷です。

数学を教える人というのは、少し病的な性質をもっているのかもしれません。

どんな性質かというと、

「この問題難しくてわかりませんでした」とか言われると途端にすごく解きたくなってしまうんです。

昨日の日曜日は、以前つとめていた個別指導塾の先生に、「何人かで考えたのですが、わかりませんでした、教えてください」、という風に言われて、急に解きたくなってしまいました。それで、日曜日の娘が寝ているというレアな時間をついついつぶしてしまいました笑

僕だけではありません。中学数学のチューターのマスミちゃんが、僕が次の中学数学のテスト結構難しいかもなぁとか言ってたら「解いていいですか?」みたいなことを言ってきました。う~む。数学を教える人間ですね。。

さて、新共通入試のプレテストの問題などが公開されたということを、先日ブログで書きました。

問題や正解や速報正答率など

上のリンクに、問題や解答などが貼ってあります。

さて、ということで、少しの空き時間を見つけて、数1Aの問題を解いてみました。

問題は4問で全部で70分。第1,2問は必答で、第3~5問の中で2問選ぶという感じです。

第1問[1]2次関数[2]図形と計量

第2問[1](2次)関数の利用[2]データの分析

第3問 場合の数と確率

第4問 図形の性質

第5問 整数の性質

という感じです。

感想を述べていきます。

全体について、つらつらと述べていきます。

  • まず、制限時間についてかなり厳しいなと感じました。100点を狙いに行くならば。ただ、本番のセンター試験も100点を狙う場合大変なので、まぁ仕方ないのかもしれません。個人的には、少し考えさせようという問題を出題しようとしながら制限時間を厳しくするという行為はあまり好きではありません。(僕もあせって1問間違いました。すみません。。。)
  • 日常の話?もしくは身近な話題?と実際の数学をつなげるというコンセプトがほぼ貫かれていて、その中で、基本的な数学事項や、少し発展的な事項(教科書の端っこにのっているようなことや教科書には載せていないだろうこと)を取り入れている感じです。
  • 問題文がひたすら長いです。どれくらい長いかというと、中学入試の公立とかの適性検査をイメージしてもらえればいいかなと思います。京大とか阪大とかの数学はシンプルな問題文が多いのが特徴の一つだとは思いますが、それとは対極だと思います。東大が、整数や確率の問題のときにたまに問題文を長くしますが、そんな感じの問題文の長さです。確かに慣れないとかなり面倒くさいなと感じますが、ひとつ朗報があります。稲荷の独習数学で説明が長いなぁってところがあると思います。その部分は、講義調だと思いますが、そこを時に手を動かしたりしながらしっかり100%理解しながら追っていくというのはかなりよい訓練になると思います。一部の生徒はその部分を敬遠して、すぐ問題に行きたがるようで、気持ちはわかりますが、高い数学的理解力を目指す場合、その部分を頭と手を動かしながら理解しようとする行為が実はとても大事なんですね。
  • 問題の難易度ですが、難しいのも簡単なのもありますが、最後の方の小問はたいてい難しくなっています。ただ、一番難しいところを結局、選択肢で選ばせていたりしていて、時間も厳しいので、90%くらいの生徒はカンで選ぶことになってしまい、意味あるのかなと思います。ただ、難易度についてはもう少し考えなければならない、といようなことを言っていましたね。単純に「合うものをすべて選べ」という問題にしたところが著しく正解率が下がっています。当たり前ですが。来年またプレテストがあるみたいなので、そこではもう少し修正されてくるのでしょう。
  • 目玉の一つである記述部分は、前回のものよりだいぶ記述らしくなりました。ちゃんとわかっていて、ちゃんと伝えることができないとだめだと思います。しかも書き方としては、いくつか考えられるものでした。それこそ中学受験かなんかで、答えだけで済ましてきた人は、しっかりした転換をしないといきません。
  • まぁただ、別に想定内くらいの問題ではあるので、2次向けに稲荷塾の演習授業にがっつり入れている人にとっては、学校であるだろう形式演習を時間配分を気にしながらちょこちょこすれば大丈夫です。学校でそんなのないという人も、予想問題などを業者が出すかと思いますので、それで練習すれば大丈夫でしょう。一方で、かなり低いレベルにとどまっている人で、公式の暗記で手一杯とかいう人にとっては、苦しい出題でしょう。そのような人を数学から振り落とすための出題なのかな。

とりあえず以上です。

数1Aまで既に学んだ中3以下の人は一度解いてみたらいいと思いますよ。そこで、きっと何か感じることがあるでしょう。