なぜ数学を学ぶのか?

スマホでどうしてインターネットにつながるのか、そもそも動画がその画面で見れる原理とは何か、… 何でジェット機は飛ぶのか、…

今日の広範囲な科学技術の最先端を理解している人なんてほとんどいません。誰もいないと言ってもよいと思います。

原理が分かっていなくても使えればオーケーと考えているのです。

でも、その最先端技術の開発に携わっている人たちは各分野で相当数いて、それを合計するとかなりの人数になるはずです。

そしてそれらの人たちは専門分野を掘り下げる前に、その基礎として高校数学を学んでいます。多分成績はかなり良かったのではないかと推察されます。

逆に言えば、高校数学ができない人に専門的な仕事ができるはずがないと思うのです。

このように考えていくと、専門に入るまでの土台としての教育の質が重要だということになります。

 

昨日の投稿で、「ベトナムやインドネシアでは他国から輸入した技術を自国で再現できない」ということを書きました。「フィリピンでは国内産業が発達していない」とも書きました。

結局これって、産業を支える数学教育のレベルが低いということではないでしょうか。

 

拙著「小さな数学塾のヒミツ」では数学教育の意味について次のように書いています。

言うまでもないが、数学は知っているかどうかを問う科目ではない。三平方の定理を知っていたから生活が便利になったとか、そのようなことを期待しているわけではないのだ。そうではなく、例えば困難な問題をいくつかの段階に分割して考える能力だとか、抽象的な内容を具体的な事例から推察する観点だとか、一見処理が難しい課題を別の方法に置き換えて考える力、複雑に絡み合った事象のなかから本質を見極め、論理的に説明する能力 … 、こういった潜在的な素養の有無を問おうとしているのだ。
だから多くの文系の学部でも数学を入試科目の1つにしているわけで、…

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高校数学は学問の基礎であり、もっと言えば思考の基礎です。

ですからこれを鍛えることが個人的成功につながり、ひいては国の発展につながるのです。

 

稲荷塾は日本の数学教育を改善することを課題の一つにしていますが、その後はアジアの国々に「数学教育」を輸出することが目標になるでしょう!

頑張るぞ!

 

 

㎰ 「小さな数学塾のヒミツ」は数学教育と子育てについてのエッセーです。必ず参考になると思うので是非読んでみてください。