ベクトル
数ⅡBクラスでは今、ベクトルを学んでいます。
「ベクトル」って、日常会話でも使われる、ある意味珍しい数学用語です。
昔私が高校1年生のとき、成基学園に通っていました。当時は成基学園でも高校生対象のクラスも開講していたのです。そして講師はどこかの高校の先生でした。今は学校の先生がそのような副業をすることができなくなりましたが。
それでこの先生の教え方が抜群に上手く、「そうか!」とよく感動したものですが、ベクトルに入ったときに(当時は数Ⅰの中にベクトルがありました)「ベクトルはすごいですよ!」と何度か強調されていたのを思い出します。40年以上経ってその口調を思い出すぐらいですから、相当なインパクトだったのだと思います。
ところが、ベクトルを最後にこの先生がやめられ、代わって京大の大学院生が授業を担当するようになりました。そしてそれがくそみたいな授業だったので私は成基学園をやめ、ついでに高2になる前の春休みに将棋の奨励会試験に合格したので、勉強自体もやめました …
これがあってかどうかは不明ですが、私は「ベクトル」が好きです。学校の教科書では「ベクトル」と独立させて「図形と方程式」を説明していますが、かなり無理があります。たとえば「点と直線の距離の公式」の説明なんて絶望的に悪いです。その証拠に、稲荷塾外でなぜそうなるのかと聞かれて答えられる生徒がほとんどいないのです。「稲荷の独習数学」ではベクトルを使って図形と方程式の理論の大部分を説明します。正直言って、むちゃむちゃ分かりやすいと思います。もちろん「点と直線の距離の公式」も稲荷塾では基本事項として誰でも証明できるようになっています。
今回の入試改革のごたごたで「文科省ってアホなん?」と多くの人が疑問に感じるようになったと思いますが、とことんアホです。
次の学習指導要領改訂でベクトルを数ⅢCに移動し、文系の子は学ばないことになります。
空いた口が塞がりません。
もちろん稲荷塾では理系・文系によらず「図形と方程式」の前に「ベクトル」を学ぶというスタイルを変えるつもりはありません。
なぜって、それが分かりやすいからです。