「演習の第二段階」完成間近!

人それぞれ、見える範囲と見える距離が違います。

今、距離5まで見えるようになれば標準問題が解けるとします。これは必要な知識と技術を身に着けることにより見えるようになります。

そうすると、この知識と技術を身に着けることにより、どんどんと解ける問題が増えていくので、これが勉強だと思ってしまいます。

ところが東大や京大では距離が6以上の問題が出るので、「あれっ、勉強不足だ。もっと勉強しなければならない」と思って、同じ方法を繰り返すのです。

確かに猛勉強することにより距離5までしか見えなかった人が距離6まで見えるようになるかも知れません。しかし、距離7とか距離8、さらに距離10の問題を目の前にして、「自分にはそこまでは見えない。こんなに頑張っているのに、やっぱり自分には才能がないのか?!」と、苦しみ始めるのです。

実は、ある程度の範囲で距離5まで見えるようになれば、勉強法を変えなければなりません。

距離6以上の問題が解けるようになるためには、視力を上げるためのトレーニングではなく、見えるところまで移動する方法を学ばなければなりません。じっとしていて見えないのであれば、動けばいいということです。

この動く方法を学べば、距離5まで見えるだけで十分です。障害物を避けて、見たいものが見えるところへ移ればいいのであって、これは結構当たり前の方法です。

なのに、一般にはこの方法が教えられていません。

予備校なんかでは、距離7とか距離8ぐらいまで見えるような講師が実に鮮やかな冴えた解法を見せてくれるので、それを聞けば感動するし、いいことを学んだような気になりますが、なかなか自分でできるようにはなりません。

見えることが重要なのではありません。

見えるところに移動することが重要なのです。

 

稲荷塾ではこの「見えるところまで動く技術」を教えます。

 

ちょっと抽象的な話になりましたが、最近、これを世の中に伝える必要があると強く感じています。

というのは、世の中では「すごく頑張る優秀な生徒が通う塾」と見られているある塾から稲荷塾へ移ってきた生徒がいて、確かにその子はよく勉強していて、十分技術をもってはいるものの東大や京大タイプの問題を解くにはあまりにも不十分だということを感じたわけです。

要するに「動く技術」がないのです。だから、猛勉強でその差を埋めようとしてきたのです。

正直言って、そういう努力は苦しいだけで楽しくありません。

もちろん努力は必要ですが、正しい方向に向かった努力であってほしいのです。

 

今書いている本を早く完成せねば!