体系数学と独習中学数学
松谷です。
体系数学という学校の教科書があります。
中高一貫校用の教科書であり、
中学数学と高校数学と学年の枠をとっぱらい、体系的に学べるように工夫をしています。
例えば代数1というのは主に中学1年で学習する教科書ですが、その中では、
1次方程式→連立方程式→1次不等式→連立不等式
比例反比例→1次関数
といった具合に、学習していきます。
本来の指導要領だと、
1次方程式(中1)→連立方程式(中2)→1次不等式(正式には高1)→連立不等式(正式には高1)
比例反比例(中1)→1次関数(中2)
といった感じですから、
ある程度枠を取り外しているなというように言えると思います。
中高一貫校の特徴を生かして6年間の数学の学習を最適化するということを目指しているというようにも言えると思います。
しかし、実際は、体系数学は、ほとんどの学校で最後まで使われることはありません。
体系数学は5冊ありまして、そこまでで、高校までの学習課程をすべて学べるようになっています。なので、中高一貫校はそれを最後まで使って最後の1年は演習すればいいんではないか!となりそうですが、たいていはそうはなっていません。
実際は、体系数学の2までを中1と中2で使ったあとは、
普通の高校数学の
数1A、数2B、数3
という学習にシフトしていくというわけです。
せっかく体系数学という名のもとにやっているのに、なんなんだ!
という感じではありますが、
まあ、実際は、そんな風になっていて、
結局、体系数学の意義は、
中1、中2の間に公立の中学3年分の内容を学習しやすくしましょう、まあ不等式は入れておきましょうかねぇ、
といったところにおさまっているなという印象を受けます。
もちろん灘とかは、その2冊分を中1でやっているようですが。
ということで、結局、何やら中途半端な印象もうけるわけですね。
でも、もし、高校数学に最短でつなげるという意味であれば、違う並び方も存在するのではないかと思います。
つまり、
代数→図形→関数という順序での学習です。
つまり、代数なら、
正負の計算→文字式→1次方程式→連立方程式→1次不等式→連立不等式→文字式→平方根→2次方程式(文章題も入れる)
があって、そのあとに、図形があって、関数があるのいった具合で、一気に各分野をやるという方式です。
稲荷塾のオリジナルテキストはそのようになっています。
しかし、レベルによってはその変化の急さに耐えられない?、分野が偏りすぎていると飽きる?、学校という縛りの中ではすぐに結果が出ない?練習問題が少なめでどんどん分野が変わっていくわりには各チューターが解説があまりできていなかった?
などの理由で、今は、公立の中1から中3までの内容を先に半年間である程度の練習もやりながら学習しておいて、その後に、オリジナルテキストに入っていくことで、うまくまわる形になっています。
ただ、もし、書籍などにより、各分野における十分な本質的な解説を確保したうえで、高校数学に直結するように配列したならば、最短で高校数学に入ることもうまくいくような気もするんですね。(ただし、演習もやりたい人には十分にやれるように配慮しておくべきかもしれません。)
そうしたら、
高校数学に行くために、中学数学をさっと終わらせたいような、
小学生や中学生
高校生だけど、中学数学から怪しいから一気に復習したいような、
高校生
などに喜ばれるような気もするんですね。
なんてことをつらつらと考えました。
まあ、独習中学数学を、書こうとした場合の世の中のニーズなどを考えていたというわけですね。
世の中に、必要性がないと正直出しても意味ないですからね。。中学数学の参考書なんてほんとに腐るくらいありますからね。というか出版社に出してもらえないですね。