出題者心理を考えると解く側はどうすべき?
松谷です。
この前、高3の生徒が模試の問題を見せてくれて、その問題を見ながら、出題者の心理とそれを解く側のとるべき心構えに思いをはせることがありました。
さて、
たとえば、
「自然数で、2乗したら、9で割ったときに余り7になる数を求めよ。」
という問題があったとするじゃないですか。
そしたら、ある程度学習した生徒にとっては、すごく簡単です。
9で割った余りについて分類にして(modを使ってもいいですし、9k+1とか9k+2とかおいてもいいでしょう)、それぞれを二乗して調べたらいいですね。ちょっとめんどくさいですけど。
これも、ある意味、調べるという要素がありますし、まあ、すこし簡単めな模試や、進学校の定期テストくらいだとちょうどいいかもしれません。
さて、しかし、このような問題を、難関大学対象の模試(駿台全国模試など)や冠模試(なんとかオープンとかなんとか実戦とか)で出せると思いますか?
そう。出せないんですよ。出題者だって、そんなひねりのない問題出せないんですよ。恥ずかしくて。
だから、問題のコアがたとえその内容だとしても、少しでもそのコアをぼかしたり、隠したり、それに何かを組み合わせたりします。
それが、
例えば、
「2乗したら、3進法で表したときに末尾の下2桁が21となるような自然数はなにか?」
という風になったりします。
そうすることで、典型題であるとか、つまらない問題であるとか、すごく簡単であるとかいう誹りを回避することができるわけですね。
さて、このような出題者心理を考えたときに、問題を解く側がとるべき心構えは何でしょうか。
それは、出題者が隠そうとしているコアをあぶりだそうとする努力をすることです。
それは、何やら難しそうな気がしますが、ちょっと違う気がします。
この問題何だろうな。何を言っているんだろうなって調べながら、問題文を素直に読み解くということだと思います。
決して、そんな問題そのものを知っているから解けるわけではないと思うんですね。
まぁ、もちろん昔の東大の問題に2乗したら下二桁が25になる自然数は何か(こんなんだっけ?)みたいな問題がありましたから、それの類題といえば類題ですが、それでも、誰しもが見たことないと感じるはずの問題なんですね。
そんなときに、びびらず、えー、何これ、どうゆう意味なの?って感じで、自分の持ってる基礎知識を使って素直に読み解いていくわけです。
3進法で21?なんで3進法?
3の位が2で、1の位が1?つまり、この部分は十進法とかでいうところの7ってこと?
でも、9の位より上は何でもいいんやろ?てことは、
9で割ったときに7余るってこと?
おっ、てことは9で割った余りで分類したら見えてくるか?ちょっと調べてみるか。
みたいな感じの思考をたどればたどり着くんじゃないでしょうか。
あくまで、問題が何をいってるかを調べながら自然に読み解いていく感じですね。
もちろん、もっと強引な調べ方として、n=1からどんどん2乗して試していくという方法もありますが、もう少しだけ、問題の特徴の意味を、読み取る方が功を奏することも多いです。(もちろん、強引な方法が最も有効なこともあります。)
それで、到達できるように作っているはずです。だって出題者は基本的に解いて欲しいんですから。ちゃんと分かっている人にはね。だから、あまりにも見えないようにして、誰も到達できないようにはしないんですね。(そんな問題を作ったらまた悪問作成者という誹りを受けます。ちなみに模試作成の場合は途中で、そんな問題は候補から脱落します。もしくは、改題を余儀なくされます。)
僕は、本当に学生時代にたいした数学力を持っていなかったですけど、それでも上のような内容を教わって、自分なりにしっくり来たときにぐわっと解ける問題が広がったのをよく覚えています。
今、稲荷塾には、僕なんかより、はるかに才能ももってるし、努力もできる人がいっぱいいます。
きっときっと東大京大レベルの問題をガツガツと解けるようになるはずです。
そんなエールを込めた記事でした。
こんな断片的な記事より、もっと深くて、汎用的な内容を伝える、稲荷先生の新本は期待ですね!
もちろん、演習の時間にはそのエッセンスを既にいっぱい伝えていらっしゃると思いますし、演習授業を受けてる生徒諸君には、集中して頑張って欲しいものです!!
今は直接担当してないけど、応援してるぜ、高3生!!
英語の勉強とかでも、精神的なことでも、悩んだらいつでも来いよ!
てな感じですね。まぁ、ほとんどの生徒はブログ読んでないんですけどね。。
ではでは。