分かりやすい授業はダメだ!
春のうらぁらぁの~♪
と思わず歌ってしまうような天気ですねぇ!(午後からは曇ってきたみたいですが …)
二次試験まであとちょうど10日になりましたが、受験生たちにもいい春が来ればいいですねぇ!
さて、稲荷塾は今、受験の直前期でありながら同時に新年度生の募集期にあり、たくさんの保護者の方と面談をしています。
それを通して感じるのは「稲荷塾は期待されているのだなぁ」ということです。
もちろん気合が入ります。
でも、勉強ができるようになるためには勉強を教えてはいけないということも重要なことです。
予備校では、分かりやすく面白い授業をしているかどうかを基準に評価され、生徒の成績が伸びたかどうかはあまり問われないということもあって、「分かりやすく面白い授業」、これをずっと追及して来ました。
しかし、「分かったこと」と「自分でできること」は違うのです。
ですから、分かった後は自分でできるように誘導するということが講師の重要な役割になります。
稲荷塾を長年しながら、この「自分でできるようにする」ということが課題で、復習ノートを作ることを勧めたり、復習のやり方を文書にして配ったり、折に触れ強調し続けて来たように思います。
それでどうだったのかと言えば、それらを受け止めて、こちらが願う以上に実行する子はまれだったということです。
一体どうすればいいのでしょうか?
今、反転授業を始めて、思うことは「疑問点がなくなるほどに分かりやすい授業はダメだ」ということです。
「疑問点がなくなるほどに分かりやすい授業」を聴いても、自分でできるようにはならないからです。
それを自分でやってみて初めて、本当の疑問点が出て来るのです。そしてそれを解決していく中で自分でできるようになるのです。
ですから、講師の役割は、いわばコーチのようなものです。
滔々と語ってはいけないのです。
勉強の内容そのものは、むしろ教えない方がいいのです。
反転授業では生徒自らが家庭で「稲荷の独習数学」を読んで学び、さらにテキストの問題を自分で解こうと努力します。
授業では、予習で生じた疑問点を解決し、もう一度整理し直し、確認テストをし、それの直しをしてからさらなる演習をします。
普通の授業とそんなに変わらないように見えますが、まるで違います。
それは結果が示しています。
みんなが「自分で勉強する」という姿勢を自然に身に付けたのです!
単に効率がいいだけではないのです。
通常授業は「板書をして、それを生徒がノートに写す」時間が授業時間の半分ぐらいを占めており、非常に無駄が多いです。
ですからそれらの無駄を省略した反転授業にすることで、従来の2倍の進度で進めるようになりました。
反転授業は効率がいいのです。
これだけでもすごいことですが、その効果はそれだけではなかったということです …。
実は、
反転授業は「効率のいい授業法を見つけた!」と思って導入したもので、当初はその副次効果には気付いていなかったのです。
しかし、これを進める中、長年追い求めていた授業の効果が得られるようになり、
「分かりやすい授業はダメだったんだ!」
と気付いたわけです。
正直言って、ちょっと拍子抜けです。
なぜって …
以前のように2時間しゃべり続けているより、今の授業法の方がずっと楽ですし …。