スタート地点に立つべし
高校数学の基礎は数ⅠAにあります。
その中でも特に「数と式」、「二次関数」、「論理」はその後も高校数学のあらゆる分野で使われ続けます。
ですから、これらの分野は理解しておくだけではなく、瞬間的に正しく使えるようにトレーニングしておく必要があります。
これは常識です。
ですが、それ以前が存在することに気付きました。
つまりそれは中学数学ですが、たとえばある問題を解いていて、あとは連立方程式を解くだけというところまで来たとします。もしそこでミスが出るようだと話にならないのです。
もちろん計算ミスは誰でもしますが、計算過程でのチェック、それに出て来た答えが合っているかどうかのチェックを何重にもすることで、最後の答えは絶対に合わせるのです。
そして、当然ながらその作業は素早く行わないといけません。
こんなことは言うまでもないことで、まさに「常識以前」と考えていました。
ところが、この「常識以前」に問題がある諸君がいるのです。
連立方程式だけではなく、二次方程式を解くことでもミスを連発し、要するに移項や因数分解の段階でミスが出たりします。
これは理解しているかどうかの問題ではなく、集中力の問題です。
はっきり言って、こういうレベルでミスが出る諸君は高校数学を学ぶ段階には来ていません。というか、どんな技術を学んだとしても、最終的な答えが合うかどうかが分からないのであれば、すべてが無駄になってしまいます。
ここまでかなり強い調子で書いてきましたが、もし自分に当てはまるとするならば、まずその状況が病的であることを自覚するところから始めないといけません。
分かっていたのに計算ミスしただけだ、などと軽く流しているようだと、取り返しがつかなくなってしまいます。
実は、以上は一昨日の数ⅡBのクラスでの説教です。
1次独立の性質を使ってベクトルを求める際に、最後の連立方程式を解くところでミスを重ねた塾生がいたのです。
数ⅡBのクラスにいるぐらいですから、数ⅠAのクラスにも似たような課題を抱えた塾生がいるはずです。
そういう諸君が早くその段階を脱して、スタート地点に立つことができるようにと願ってやみません。