親の関わり方

子どもが小学生の間は、どんな分野であれ、勝つか負けるかは本人の才能以上に、それに親がどの程度介入するかで決まります。

 

たとえば、我が家の場合、娘のテニスに全力投球していました。

そもそも、状況に応じて戦略を考え、同時に長期の計画を立て、それを実行するなんてなことを子どもができるはずがありません。

私がしたのです。

その結果、ずっと京都ではナンバーワンでした。

 

中学受験でもそうです。

子どもの特性に応じて、4教科受験にするべきか3教科受験にするべきかを決め、どの科目で点を取りに行くかを決め、苦手な科目があった場合はどうするのか戦略を立てねばなりません。捨てるのか、その場合、得意科目で補えるのか、それとも苦手科目での負けを最小限に抑えるための措置をしないといけないのか、あるいは負けないレベルまで投入するのか、それにはどの程度の時間がかかるのか、… こういったことを判断しながら立てた作戦を実行しなければならないので、子どもだけでできるものではないということです。

そして親がうまくリードできた場合には、基本的に勝ちます。

 

ただし、

 

勝てばいいわけではありません。

 

その後があるのです。

 

テニスならば、体ができて来る中学生以降こそが本当の勝負です。ここで本人が本気になるかどうかが重要です。

もし本気にならなかったら、別の道を選ぶことになり、その選択まで親が決めようとしたならば、悲劇が訪れます。

 

と、あたかも客観的に書いていますが、娘を通して実現しようとしていた私の夢はあまりに大きく強かったので、大変な葛藤がありました。

要するに、親が介入し過ぎていたということです。

子どもはいずれ自分自身の自覚により、自らの道を選ぶことになり、「親の介入」はそれにつながるものでなければならないということです。

 

同じことが中学受験にも言えます。

親がうまく関わらないと成功はしませんが、その先を見据え、そこで子ども自身が培った考え方や自己管理の方法を子どもが自らのものとして使って行けるように、つまり、内的にも外的にも子どもが独立して行けるように親は導くということが大切です。

 

幸い、葛藤はありましたが、我が家の場合、娘はまっすぐに育ちました。

そして、「鉄砲玉」などと呼んだりしていますが、その驚きの自己管理能力は、彼女が小学生のときに私によって鍛え上げられたことがベースになっていると私は見ています。