なぜできないのかを考えてみる
松谷です。
数2bの授業内の質問で、こんな一幕がありました。
前提の知識として、底の変換公式を覚えてきてるか確認しました。
そして、なんとか底の変換公式をひねりだしたので、
それを上に見せながら、それを使ってlog3 5の底を3から2に変換してみ。といいました。
下みたいな感じです。
そしたら、ん?できない?
どゆこと?上に公式そのまま書いてあるやん。
ん?ふざけてるんか??
おいおいふざけちゃいかんぜと。
ふふふ。からかってるんだな。
でもって予習不足やなぁこら。とか思いながらも、
その質問した変換については、僕が見本ということでやって見せました。じゃあ、こんな感じで、別の例でやってみて。と言ったら、
また、できませんでした。
ん?!
どゆことや?!
本当にこの生徒は特殊な理解のしかたをしているのかと思いました。
しかし、よく思い出すと、クラスで苦戦している3人は3人とも同じ間違い方をしていました。
これは、しっかり考えんといかん題材だと思いたちました。
結局彼らには何個も例を見せて、間違いながらもとりあえず、なんかできたっぽいという状態には持っていっているのですが、それではこれからの学習が彼らにとって苦痛すぎます。
つまり、これは稲荷先生がいう
一般的な法則を具体的な例に適用する。
というパターンの最も簡単な例ですが、それに完全に詰まっているということです。
少し考えたのですが、理由としては、
「複数の文字に混乱している。」
「数式の羅列に見えて実際は何の作業なのか分かっていない。」
ということがぱっと思いつきました。
そこで、僕は考えました。
これは、
これができないということとほぼ同じではないか?
もしくは、これは超いっぱいの例でそれっぽく当てはめられるようになったけど、実際は何もわかっていないのではないかと思いました。
超いっぱいの例からなんとなく理解するというのは大事なことですけれど、それにはあまりにも時間がかかります。
入試などを考えると相応のレベルまで時間内に持っていくことがすごく難しいです。
つまり、たぶん、これをできることは、高校数学を、飲み込むのに最低限必要なことなのだろうと感じるのです。
正直まだ完全な解決策は見つかっていません。ただ、プロとしてきっとその原因を突き止めていきたいと思っております。
もちろん、稲荷塾では、東大京大医学部などにかっちり受かるレベルまで引き上げる指導力を磨くのが一番大事ですが、あらゆる引っかかりポイントの対応策も持っておきたいと感じています。
どんな人も、それぞれ、何がしかの思考の弱点はあると思いますし、
弱点があるならば、そのカバーの方法もできるだけ見つけておきたいと思います。
反転授業になると、個々が授業前に、ある程度仕上げてきます。それでも、仕上げられなかった部分に質問が来るわけで、そこをうまく導いてあげることが重要だと思うのです。