堀川高校の入試問題を解いてみて

松谷です。

稲荷塾の生徒さまと保護者さまから、高校受験に関連して、質問を受けました。

私は、前の塾で「東京」の高校入試の進路指導、学習指導は経験しておりますが、「関西」の高校入試の学習指導については、正直まだ、経験が不足している面がありまして、あまり軽率に答えてもいけないなと思いましたので、

高校入試の問題を改めて解いてみました。

 

とりあえず今朝、京都の象徴的な高校ということで、堀川高校の探求科の直近の2年分の入試問題を解いてみました。

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まぁ、29年度は簡単でしたが、28年度はかなりかなり難しく分量もすごくすごく多かったです。生徒さん目線も交えながら所感を述べてみたいと思います。

 

まぁ、高校入試専門に扱ってる塾さんとかだと、もっと違う分析観点を持たれるのかもしれないんですが、大学受験に向けての塾のイチ講師の目線での所感ということで述べます。

 

堀川高校 入試問題 所感(分析というほどのものではありません。)

29年度(50分100点満点)

第1問:小問集合

同次式の分数や、ルートを自然数にする条件、カタマリで考えた因数分解、凹みのある多角形の内角の和など、勉強してき人がよしよしと思えるだろう内容。

第2問:一次関数

距離の和の最小値を考える超頻出テーマで、これもちゃんと勉強していればとれるだろう。

 

第3問:確率

サイコロをふったときの和や積が素数になる確率。適度な問題。中学生の確率は、公式ではなく数え上げが基本です。漏れ無く数えられるかが勝負。

第4問:円

円周角の定理の逆の証明の穴埋め。教科書に載っているようですが、そんなんなくてもすごく簡単。しかも証明なのに穴埋め。

第5問:空間図形

高校入試大好き立方体の切り口問題。対称面で切って平面で考えましょう。回転体の体積はちょっと間違えやすいでしょう。

第6問:平面図形

案外気付きにくい、相似な図形のペアを探す問題。(2)はできなくてもOKでしょう。

全体:難易度が例年よりも低く、例年50から60点くらいの合格者平均点が、29年度は70.8でした。逆に言うと、この年で、とれないのなら、勉強不足という問題。数学得意勢は90点超えも狙えるでしょう。堀川高校の問題は例年変わった設定の問題や融合問題が多いが、割にぱっきり分かれている問題が出題された。分野別ではなかったとしてもテーマ別にぱっきり分かれている問題。とはいえ、早めに一通りの学習を終えた人がハイレベルな演習を通して慣れていかなければ難しいとは思われる。ちょっと変わった設定の問題が多く、その場で考えて解かなければならないのは、東大京大入試のミニチュア版を意識しているのだと思われる。

 

28年度(50分100点満点)

第1問:小問集合

まぁ普段の+アルファくらいの出題ではあるが、√を自然数にするnを求めたりするのが結構大変で、不穏な空気を感じさせる。

第2問:確率

全部正確に数えるのが相当にえぐい。格子点をうまく通ることを利用できればいいが、別に図が与えられているわけでもないので、ムズカシイ。

第3問:二次関数

適度な問題である。二次関数の変化の割合に注目しつつ、等積変形にうまく気付けば計算量も減らせる。なんとかとりたい。

第4問:円と平面図形

(1)でも、円周角をかなりうまく駆使しつつ、まぁまぁ大変。(3)までいくとかなり凶悪。時間を考えると捨てましょう。

第5問:平面図形

よくある切り口の問題と立体から切り取った体積だなと思いきや、表面積を求める問題。しかも、与えられた四面体もなかなかうざい設定。

計算もうざい。さらに上から光をあてて、六角形になりますねっていう東大の過去問を高校生用にアレンジした問題。でも時間が絶対に足りない。(3)は捨てましょう。

第6問:動く図形

丁寧に動きを追っていく。どの頂点で重なり始めるかの検討をする。(1)は余裕ではあるが、(2)以降は丁寧に考えていくことは時間的に苦しい。たぶんこれだろっといった割り切りが必要。

全体:う~む。本当に難しかったと思います。というか量が多すぎます。合格者の平均点が31.7点と例年より30点ほど低いです。出題者はア○なのでしょうか?こういう出題をすると、数学が得意な人が割を食うので、多分欲しい生徒がとれませんよ。恥ずかしながら僕も満点取りに行ったら時間overしてしまいました。生徒の立場に立つと、不憫でなりません。とはいえこんな出題もありうるということで仕方ありません。一部だけやりやすい大問があり、どの大問も(1)は取りやすいです。ですので、とれるところだけさらっととって、あとは得意な分野の大問を攻めるしかないでしょう。見たことのない設定が非常に多かったですし、量も多かったです。堀川っぽいのかもしれませんが、これは出題ミスでしょう。次の年に簡単になっていることから、それを認めた形ですね。まぁ、ただ時間があるならば考える価値がある問題だということだけは言っておきます。(復習する価値はあるということですね。)