長さや面積を比べる〜評価する〜
松谷です。
高校生になるとどっかから、評価の問題というのが登場します。
評価?
誰かの成績でもつけるの?
という風に思うかもしれませんが、そうではありません。
求めたい値が直接ぴったりとわからなかったとしても、それが、どのあたりにあるものなのかを、不等式の形でかいてあげることを評価するといいます。
たとえば、
50点<松谷くんの点数<60点
といった具合ですね。松谷くんの点数を評価できました。
まぁ、積分でこの話がよく登場するわけですが、それだと関係ない人もいますから、円周率πを評価してみましょう。
円周率とは、(円周の長さ)÷(直径)のことですね。
案外このことを知らない人がいますね。
そして、その円周率の小数がずっと続く数値(3.14159265358979323846…)のことをπという風に表すことに決めましたね。昔の人が。(あっそういえば、小学生部で30桁くらい書いている子がいましたねぇ。)
で、まぁ直径は基本的に同じにして考えたらよいですから、円周の長さがどんなものかということを比べてあげたら結局円周率がどんなものかということがわかります。
じゃ~ん。
円の外側に接するように正方形がかけますね。
そして、もし今、円の半径をrとすると、正方形の周りの長さは8rとかけますね。
そして、円周の長さは、2πr(直径×πですね)と考えれますから、図から見て、直感的に
2πr<8r は明らか! だからπ<4!
でOK、かといわれるとちょっと微妙なところですかね。
円が凹んでない図形であるとか、接しているとかいうような図形的な様子を考慮するともちろんいえますが。。
まぁ円にぴったりはりついている糸を外に引っ張っていったら、正方形のところにくっつけられなさそうですから、まぁねぇ。
って感じですけど、納得できない人は、面積を考慮してみてもいいかもしれません。
正方形は円の面積よりは大きいですから、
(円の面積)πr2乗 < (正方形の面積)4r2乗
よって、 π<4
ということが分かりましたね!
(これを上から評価できた、と言います。)
さて、この状況で、正方形が円の面積より大きいというのは、明らかでしょうか??
う~ん、これは明らかとしていいんではないかと思います。数学を大学以降でさらに専門的にやる人からすると明らかではない!となるかもしれませんが、まぁ普通はいいんではないかと思います。
高校レベルで積分的な観点から考えると、座標を設定して、円の上半分をy=√(rの2乗-xの2乗)と考えて、正方形の上の辺をy=rとか考えたとき、r≧√(rの2乗-xの2乗)が考えている範囲で常に成り立つから、その積分したものとして、(正方形の面積)>(円の面積)としてもよいかもしれません。
おっと全く本題ではない話をしましたね。
今度は下から評価してみます。
じゃ~ん。
円の中には正六角形を書くこともできます。
正六角形の中を6等分すると、正三角形になりますね!
そして、正三角形の一辺すなわち正六角形の一辺は円の半径と一致して、rとなります!
よって、正六角形の周りの長さは6rです!
ここで、点と点を結んだときの長さは直線で結んだときが最短ですから、円の中にある、正六角形の長さは、円の長さより短いことがわかります!
即ち、6r<2πr
よって、 3<π
ということがわかりました。(下から評価できました。)
よって、トータルして、
3<π<4
ということがわかりました!
まぁ、何が言いたいかというと、円周率は3でも4でもないということです。
円周率が3と言い張ると、円の中に内接する正六角形がかけなくなってしまい、生徒もすごく混乱してしまうと思います。
あと、逆に、「3.14の掛け算を計算したくない〜、3でええやん」っていう輩にこの話をしますね。
そういえば、むか~しの東大の問題にこれの発展版として、円周率が3.05以上であることを示せっていう問題がありましたね。
まぁ、正〇角形の〇を大きくしていけば、より本物に近い数字になっていくわけですから、できますねぇ。
円周率を3に変えた学者指導要領の改訂に対する明確な抗議表明としての問題だったなぁと思います。
う~ん、保護者さまは、興味がない話題でした。。。。