確率で世の中(テニス)を考える!

松谷です。

英語の話題ばかりで、本業逸脱感?も出ているので、数学の話題を。

数学というと、高校数学以降は、なかなか、実際の世の中の表面的な部分とはかかわりを見出しにくい人も多いと思います。

もちろん、ぼくは、数学の学問内容自体が世の中に実はものすごく関わっていると思いますし、さらに、数学を学ぶとき、数学の問題を考えるときには、他の勉強では学ぶことが極めて難しい「論理性」などが学べると思います。

とはいってもねぇ・・・という人がいるのも事実です。

しかし!確率だけは、世の中への関わりが誰にでもすごく見えやすい分野ではないでしょうか!

 

先日、オーストラリアンオープン観戦記で、プロのサーブがブレークされる確率は、20%くらいという話をしました。

そして、フェデラーが、2ゲーム連続ブレークチャンスを逃して、もうだめかと思ったら奇跡的に3ゲーム目でブレークしたという話でした。

さて、ここで、かなり珍しいことが起こったのかどうかを数学的に考えてみたいと思います。

もちろん、より細かい条件をつけることはできますが、簡単のために、

「3ゲームのサービスゲームのどこかでサービスがブレークされる確率」を考えたいと思います。

これは、言い換えると、「3ゲームのうち少なくとも1回はブレークされる確率」を求めているということです。

「少なくとも」と来たら、「余事象かな?」と考えるのは定石です!

すなわち、「1から3ゲーム連続キープする確率を除いたもの」を考えればよいということですね!

計算すると,1-(4/5)(4/5)(4/5)=61/125となります。

計算結果によると、なんと80%のキープ率の選手は、半分くらいの確率で、3ゲーム中のどこかでブレイクされるわけです!!だから、ブレイクしたのは別に珍しくもなんともないということなんですね!

(試合を見てたらそんなに割り切れるものではないですが。。)

 

 

また、僕が昔テニス部だったとき、こんなことがありました。

若かりし僕はセカンドサーブを上から回転をかけて打つことができず、いつもアンダーサーブもしくは、上からちょこんと当てて打つサーブを打っていました。(テニスのサーブは2回チャンスがあります。)

しかし、あるとき、そのアンダーサーブと上からちょこんサーブに対しては、必ず強烈なショットを打ってきて、ポイントを、取るのがほぼ無理というライバルがでてきました。

僕は、上から回転をかけたサーブを、打つしかないとわかっていたのですが、まだまだ入る確率が低かったため、ミスったときにダブルフォルトになって即失点となってしまうのをすごく怖がって、セカンドサーブを、上から回転をかけて打つのに対して二の足を踏んでいました。

しかし、そのとき、ちょうどこの確率の余事象の話を学びました!そして、閃きました!

もしかして、ファーストサーブから2回同じ回転をかけたサーブを打ってみてはどうだろうか?今は確かに入る確率は、たった70%だ。

でも、「サーブを二回のうちどっちか入れることができて、ダブルフォルトしない」ってことは、「二回ともサーブを外すって確率の余事象」だ!

つまり、1-(3/10)(3/10)=91/100だ!

てことは、10回中9回以上は、ダブルフォルトしないじゃないか!だから、ダブルフォルトはあったとしても二ゲームの間に一回あるかないかくらいじゃないか!

かくして、僕は、ファーストサーブもセカンドサーブも上から回転をかけてうつようになりました。

効果はテキメンでした。そして、見事にライバルを打ち破ったのです。

そして、ファーストもセカンドもそのサーブを打ってる内に、回転サーブの精度があがるという副次的効果まであり、余裕のある時にはファーストは勝負して、セカンドだけ回転をかけて打つという戦法まで会得したのです。

 

このようにして、自信を得た僕は、高校1年のときに、シングルスで、府大会を勝ち進み、近畿大会に出場することができたのでした。

 

確率ってほんとに素晴らしいですね。

 

(結局それが、高校3年間のベスト戦績になったっていうのは、ナイショの話。。)