思春期の子を持つ親への応援歌

40になったら自分の顔に責任を持て、などと言いますが、中学生、高校生でも内面が顔に出ます。

勉強するにしても、自分がそう決めて取り組んでいる子の顔は充実しています。

しかし、親に言われて仕方なくやっている場合は、なんとなく不満顔で、結果として伸びにくいです。そういう子は詰めが甘く、分かったと思うレベルが低いのです。

昨日の数IAのクラスにも、今一つ充実していないと感じる子が何人かいます。

そこで、解答を見て納得したら、それを見ないでノートに書いてみるようにと指示してみました。

すると、しばらく書いて、あれっと思って立ち止まり、もう一度解答を覗き込むというようなことを何度か繰り返している子がいました。

そうしながら、自分が分かったと思うレベルが低かったことを悟り、本当に次に自分で書けるのだろうかと問い始めるようになってほしいです。

そうすれば、分かる喜びを知り、自分が成長していることを実感できるようになって行きます。その延長で、覚悟を決めるというか、これは自分が決めた道だと思えるようになれば何かが変わって行きます。

同時に親も、深く子供と関わるように心がけてほしいと願っています。子どもを言いくるめるのは簡単だけれども、それが子どもの願いとも一致する道だと納得させるのはそう簡単ではないからです。

子どもが小学生の間はどうしても親が先行しますが、中学生ごろに転換が起こり、子どもは自分が本当にしたいことは何なんだろうかと問い始めるようになるのです。

そういう子どもの変化を敏感に感じつつ、柔軟に対応してほしいです。

思えば、私の両親はここでたくさん失敗しました。私からすれば、親はがみがみ言うだけで、全く理解されていないと感じていました。家は戦争状態にあり、ガンガンにぶつかっていました。

ふと鏡を見ると、いやぁな顔をした自分が写っていました。

家庭はすさみ、1日でも早く家を出たいと私は考えていました …。

しかし、このような分析ができるようになったのは最近のことです。

私が22才のとき母は癌で亡くなりましたが、それ以来記憶に残っている母のイメージは「私のことを心配し続けた愛情あふれる人」であり、欠点も失敗も全部消えてなくなりました。それ以来ずっと、そのイメージだけを持ち続けていたのですが、自分の子供たちがその難しい時期を通過し、ふと振り返ってみて、あまりに知恵のなかった両親を発見したのです。

ついでに言えば私も失敗だらけでした。まあ、みんなそうなのではないかと思います。

だからこそ、親自身が成長のための努力をし、そうして少しずつ世の中は進歩していくのではないかと思うのです。