演習1の報告

演習1の上半期は数ⅡBを一通り演習し、下半期は数ⅡBを中心に少し数ⅠAを加えて演習します。

高校課程(数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲ)を一通り終えた段階ではまだ入試問題が解けません。その理由は2つあります。

一つは「分かる」と「できる」の間に距離があることです。「分かったけれども、細かい技術が使いこなせるところまで到達していない」という状態では入試問題を解くことができません。

もう一つは高校課程に加えて「入試の常識」というものがその上にあり、これを知らないと発想自体が難しいと思われる問題が存在します。

演習1ではこれら2つの課題の克服を目標にしています。特に入試の中心は数ⅡBなので、上半期ではその数ⅡBにおける「入試の常識」を確認し、基礎的入試問題が解けるようになるためのトレーニングをしてきました。そして下半期に入ってからは数ⅠAにおける「入試の常識」を学んできましたが、それが前回で終了し、今日から再び数ⅡBをします。上半期に比べて問題のレベルはそんなに上がっていません。つまり、上半期で難しいと感じていた問題がいよいよ自力で解けるような段階に入ってきているはずだと思うのです。

演習のクラスに入ると反転授業で数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲを学んでいたときより予習の負担がずっと軽くなります。それは「楽をしていい」ということではなく、できた時間的余裕を復習に充ててほしいということです。

自力で解けなかった問題をもう一度解いてみるのです。たとえば解答を見て理解した後、解答を見ないで再現してみるという作業は、一見無意味に思えます。しかし実際にやってみると、解答を理解したと思った直後であっても、再現に苦しむことがあります。まず「どうだったっけ?」と単純に詰まる場面もありますし、解答を見ていたときはさも当然の論理展開だと思われていたところが、いざ自分で書き始めてみると「どうしてそうするのだろう?」と疑問に感じ始めるのです。ましてや、しばらく時間をおいて解き直してみると、解ける保証はまるでありません。私の経験では半分解ければいい方でした。

演習1のクラスでは予習の負担が軽くなった分だけ復習に力を入れて欲しいわけで、それをちゃんとやっていたとすればいよいよその効果を実感するときが今だということです。理想的に進んでいたとすれば阪大の問題がすらすら解けるようになっていることでしょう!

これを土台に演習2に進めば、東大・京大の問題が解けるようになります。