京大理系数学、難易度の推移について

昨日で二次試験が終わりました。

京大理系数学は、はっきり難化しました。

歴史をたどると、2000年に入って間もなく、医療技術短期大学が京大医学部の保健学科として編入されてから、同じレベルの入試問題では選別できないという事情から甲乙2種類の入試問題が作成されたりしました。しかし、それはあまりにも面倒だったと見え、その後それらを1本に統一する代わりに超基礎的な問題のセットになったりしました。2004年だったと思いますが、150分で解くはずの問題が40分で満点が取れるほどに簡単になり、とても京大の問題とは言えないような状況になったのです。さすがにそれでは入試問題として機能せず、上げたり下げたりしながら、いつしか4問が標準問題で、残る2問が従来の京大タイプの問題というスタイルに落ち着きました。

この4問が標準問題、2問が京大タイプの問題というスタイルは、その比が3問3問になったり、5問1問になったり、多少の揺れを見せながら定着したと言って良いと思います。

ところが、昨年と一昨年は2年連続して5問1問になっていたばかりか、特に昨年はその5問が露骨に簡単だったので、リバウンドするのではないかと感じていました。

はたして、その予想通りになったということです。

正確に分類するのは難しいですが、私見では1問5問(2問4問かも …)です。しかも、その1問が東大でよく見かける2パラメーターの処理で、京大ではほとんど見たことがなかったので、戸惑った結果、できなかったという生徒もいるはずです。

特に5番の極限については、どうすればよいのか、私は全く思いつかず、仕方なくロピタルの定理を使って答えを出しました。多分、反則技です。その後、河合塾の解答速報を見てみると、標準問題だとしながら、つまり難しくないと評価しつつ、思い付きそうもないような解答を載せていたので、やっぱりこれは難問だと思います。実際、稲荷塾の生徒は誰1人として5番を完答できませんでした。

話のついでに、河合塾の判定についての疑問を書いておきます。

難しいはずの5番を標準問題だと言ったのも変でしたが、4番を「やや難」と評価していました。これはナンセンス。実際、結果報告のあった稲荷塾塾生は全員、この4番を解いていました。

それから、6番もかなり難しいと思いましたが、報告のあった生徒のうち2人がこれを解いており、塾としてはすごく嬉しかったです。

 

いずれにせよ、3月10日の合格発表が待ち遠しいですねぇ!

みんなの幸運を祈ります。