中学受験 vs 高校受験
お昼間に中学生たちが道路でたむろして騒いでいました。予備校の夏期講習が始まったとも聞きます。
ということは夏休みに入ったということでしょうか …
さて、「中学受験 vs 高校受験」という本を書こうとしていることは既に報告した通りですが、どうも「中学受験」が意味するところが各地で随分違うことに気付きました。
京都や首都圏で中学受験と言えば、基本的に私立の中高一貫校を受験することで、小学4年生ぐらいから塾通いをするのが一般的です。
京都や東京では過去に小学区制を布いたことがあり、そのときとその後しばらく公立高校が崩壊しました。京都で言えば京都府下のすべての公立高校を合わせても京大に2桁の合格者を出すことができない時期が長く続きました。これに危機感を感じた家庭は中学受験を選択することになり、今日の中学受験熱が生まれました。近年になってようやく堀川が実績を出し始めていますが、だからと言って中学受験が緩和されたわけではありません。この構図は東京でも同じです。
ところが、京都や首都圏以外のほとんどの県において、トップ高校は公立であり、公立の中高一貫校はあるもののそんなに成功しているわけではないし、公立の中高一貫校への受験も緩やかなものになっています。
高知では私立の土佐高校がトップ校でそれに匹敵するような公立高校がないため、土佐中学への受験に成功するかどうかがその後の進路を考える上で重要な鍵を握ることになり、したがって中学受験の激しさは京都や首都圏に準ずるものになっているようです。しかも、高知から灘等に受かったような生徒の多くも土佐中学に進学するらしく、上位層は相当のレベルであると聞きます。
これは、おそらく例外です。
秋田では昔から秋田高校がトップ高校で、2番手だった秋田南高校が中高一貫校になりました。秋田南高校が中高一貫校になってから、初めての卒業生が出たのが昨年。東大にも3人の合格者を出し、まずまずの実績ですが秋田高校には敵いません。それに、2年目の今年、少し実績を下げました。序列が変わることは当面なさそうです。
秋田の公立中高一貫校は秋田南以外にも3校ありますが、そこはトップ争う意に絡んでくるような勢いはありません。ちょうど、京都にも洛北、西京以外にも園部、南陽、福知山がありますが、いわゆる受検勉強をして入るような学校ではないのと同様です。
結局、全国の主流は高校受験です。
東大理Ⅲ、京大医学部に限定すると、ここへの合格者数の上位校は私立の中高一貫校が独占しており、「中高一貫」のメリットが大きいことは明らかです。そういうこともあり、全国の都道府県に公立中高一貫校を作るという動きになり、その卒業生を出すぐらいの年月が経ちましたが、成功しているとは言えないということです。
う~む、もちろん「中学受験 vs 高校受験」という本は両者のメリットとデメリットを一般的な視点で比較するものではありません。ですから、「中学受験」の意味が各地で違っても問題はないと言えます …
この本で伝えたいことは、どちらを選んだとしても学習効率を劇的に改善する方法があるということですから。
劇的に改善です。