中学受験の弊害

中学受験では答えが合っているかどうかだけが問われます。そこでは速く解くということも重要です。

ですから、中学受験をした生徒の特徴として「手を動かすのが無駄に速い」というものがあります。そして、解答が計算欄のようになります。

対して、大学受験では鉛筆を素早く動かす必要がありません。たとえば京大の問題だと150分で6問を解けばよいのです。もし、全部解くとしても1問に25分かけることができます。合格最低ラインだと3問解けばよいので、1問に50分かけることができるのです。

それに、答えを出すことではなく、その過程での議論が重要であり、自分の考えたことが相手に伝わるように記述することが要求されます。ということは、計算欄のような解答では、その時点で失格です。

 

中学受験をした後、中学数学を学び高校数学に進む過程の中で上記のような変化に対応し、自然と成長すれば問題はないのですが、中には、いつまで経っても小学生のような解答を続ける生徒もいます。

それはもう、溺れているように見えます。

点数を取るという結果だけを求めているようで、まるで余裕がありません。

そういう子は「答えを出すやり方」を知りたがり、「内容を理解する」ことには関心が向きません。

結果として伸びません。

 

なぜ、そのようになってしまっているのでしょうか?

 

それがその子の能力だ、という場合も実際上あると思います。

しかし、いい成績を出さなければならないという外からのプレッシャーゆえに方向を間違えていることもあると思うのです。

その場合は変わる可能性があり、力を入れるポイントがずれていることに早く気付いてほしいです。