棒が壁に沿って動いていくと?
松谷です。
棒が壁に沿って動いていくとどうなるか?
つまり、こういった問いですね。
これは数学3で学ぶ有名曲線のアステロイド(asteroid)が上の淵に出てきます。アステロイドは、円の中を半径が1/4倍の小さい円が滑らずに転がるときに内側の円上の点がつくる軌跡でもあります。
知識としては当然知っていて欲しいところなのですが、そもそもそれを導き出させる問題も出ます。
阪大や早稲田などでその変化形が出題されていますね。
あまりにも有名知識問題の場合、知っているか知らないかの差が如実に出てしまうので、そういうのを東大京大は嫌うかもしれませんが。
ただ、この問題をアステロイドの前提知識がなかったとして、純粋に線分の通過領域の問題と考えると、入試として差がかなりつくレベルの難易度の問題であり教育的な問題だなと感じます。古典的ですが。
さて、本題に入る前に今回の問題は線分の通過領域の問題です。線分の通過領域の問題は、一般に直線の定義域ありバージョンとして考え、その定義域も通過領域の条件に組み込んでいくことがまあまあ面倒くさいです。
ですが、図形的に明らかな場合は、直線の通過領域を考えておいて、端っこについては言葉で説明しておくという方法が有効です。
で、この問題については、直線の通過領域を考えておいて、その第1象限の部分(x>0,y>0)としておくのが普通かなと。
直線の通過領域については、一般に、
順像法と言われるやつと、逆像法と言われるやつがあります。
特にこの逆像法、別名、逆手流ってやつを覚えた最初は何か強くなったような気がするので高校生には人気なんですね。
順像法っていうのは、x=Xとかkとかでxをある範囲で固定しておいたときに(Xを定数と考えます)、yのとりうる値の範囲をXで表して、そのXをxに戻してやるって感じの方法ですね。(Xをどの範囲に固定したかで状況が違えば場合分けしていきます。)
今回の問題だったら下のような感じですね。線分が動いていったら固定したXに対して、上限がありそうな感じがします。Xは定数なのでyはθの関数だと考えられますので、微分していく感じです。
逆像法と言われるやつは、θが変化したとき直線はどこを通るかという問いを、ある(x,y)を通るようなθは存在するかなどと問い直すやつです。
下のような感じですね。普通、解の存在を考えるというと、2次方程式の解の配置問題に帰着することが多いのですが、今回はそうではなく微分して増減を考えて軸との交点があるか考えていくというスタイルかと。
あと、一応、包絡線についての高校範囲外の知識を使った解法もありますが、まあメインは上の2つです。
この前数3の振替授業で、アステロイドの話をしていたときに、棒を動かして行ったときにできるでみたいな話をしたんですが、どうやって示すんですかみたいなことを聞かれたんて、方針だけ伝えてまあまたいつかやるよみたいに返事したんですね。
そのことをふと思い出したので、ざっくりですが、書いてみました。
ネットにめっちゃ載ってそうなのに順像法と逆像法を両方載っけてるところが見つからなかったのでね。
たまには、数学的なことをということで。
まあ解答は字が小さすぎて微妙だと思いますので、雰囲気だけ感じてもらえればいいかなと思います。
ではでは。