自己管理能力
中2で高校数学を学び、高校受験のために稲荷塾を離れ、高校に受かってから稲荷塾に戻ってきた生徒の中で見違えるぐらいに成長して帰ってきた生徒がいるということを書きました。
それに対して、そういう生徒はどこの塾に通っていたのかという問い合わせがあったので、生徒に聞いてみました。
1人は開成教育セミナーでもう1人は馬渕でした。
でも、そういう高校受験のための塾がよかったからかどうかは不明です。
一つは「高校受験をした」ということ自体が彼らにとってよかったのかも知れません。目標に向かって努力したということがその年代の子どもを成長させます。
それから、単純に年齢的に成長して落ち着いただけかも知れません。この「落ち着き」は大事です。
勉強するうえで、いつも楽しいことばかりとは限りません。苦戦することもあるでしょうし、その他の理由で気が向かないときもあるでしょう。そういう気持ちを乗り越えて、つまり自己管理してやるべきことを実行するためにこの落ち着きは欠かせません。
でもやっぱり、高校受験と中学受験の塾はすごいなと思うことがあります。
受かるための筋道を研究し尽くしていて、それを生徒に実行させるための方法を持っているのです。
その方法が完成し過ぎているので、受かるべきでない子まで受からせてしまうことがあるのはまずい点だと思うほどです。
ところで、東大・京大受験にそういう方法、つまりこれをすれば受かるんだというマニュアルのようなものは存在するでしょうか?
これは、中学受験や高校受験に比べて学ぶべき範囲が広すぎるので、したがって個々の課題も多様で、マニュアル化はできないと普通は考えます。
そうではなく、自らの現状と目標との距離を把握して、自分で計画を立て、それを実行する力、これを自己管理能力と私は呼んでいますが、そういったことの方が重要です。
追記しておくと、上記マニュアル化が可能と考えて、膨大な演習量を課する塾もあります(しかも大手)。まあ、稲荷塾とは対極の考え方と言えます。