むむむ …!
最近、ある大学の先生から「今後、日本からノーベル賞学者が出にくくなる」という話を聞きました。
その根拠は学力上位層が医学部志望にシフトしてきているからというものでした。
まず、学力上位層が医学部志望へシフトしてきているというのは事実です。
この10年で洛南の東大・京大への合格実績は半分になりました。その代わり国公立医学部への合格者数が増え、東大・京大と国公立大学医学部トータルでみればほとんど変化していません。
でも、それを根拠に「日本からノーベル賞学者が出にくくなる」と言われてもねぇ … などと思っていました。
ところが、次の事実はどうでしょうか?
灘から数学オリンピックの入賞者が減っているそうです。聞いたところによると今年は0人で、去年は銅が1人。
その代わり、今年は東大理Ⅲに20人、京大医学部に26人受かったそうです。
「東大理Ⅲに20人、京大医学部に26人」には驚いてしまいますが、それを引き換えに数学オリンピックの入賞者が減ったのでしょうか?
利根川さんや山中さん、本庶さんのように医学関連でノーベル賞をとる人は出ていますが、物理や化学賞、それに数学のフィールズ賞なんかは減っていくのでしょうか?
何となく、そうかも知れないと思い始めています。
それとともに、日本の国際社会に対する影響力がここ30年間落ち続けているという話も気になります。
これもいろんな見方があるので、必ずしもそうだとは言えないと反論したい気分になりますが、かつての高度経済成長期のように「行け行けどんどん」でなくなってきているのは事実で、そのゆえに若者たちが安定志向になり、新しいことに挑戦する気持ちが削がれているとすれば、何かをしなければならないようにも思います。
稲荷塾として何かできることはないのでしょうか?!