特別クラス
先週の土曜日に初めて「特別クラス」の授業をしました。
まず、「特別クラス」について書いておきます。
高校受験をして高校生になってから高校数学を始めると、なかなか演習の時間を確保することができません。それでは中高一貫校に対して断然不利なので、堀川などの進学校では数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲのそれぞれに1年をかけるのではなく、その期間を縮め、特に数ⅠAを思いっきり短くして高3の夏に入るまでに高校過程の一通りを終えるようにしています。
しかしそれでも演習にかける時間は半年なので、中高一貫校が1年を演習にかけるのに比べて忙しく、灘が2年かけるのに比べて圧倒的に不利です。
ところで、数学の授業は「板書をして、それをみんながノートに写して」から説明が始まりますが、「板書をして、それをみんながノートに写して」という作業の時間が授業時間の半分を占めますので非常に効率が悪いと言えます。
ですから、予習を課して効率よく授業を展開しようとする試みもありますが、新しい概念を教科書や参考書を使って自ら学ぶのは容易なことではありません。
そこで、稲荷塾では反転授業をしています。
反転授業を始めるまではテキスト1ページを2時間かけて説明していました。しかし、そのテキストを土台に授業で説明していたことを整理し、まとめた本が「稲荷の独習数学」なので、これを読むということは授業を受けたことに相当します。もちろん「板書」も「ノートに写す」という作業もありません。
ですから、2倍進むようになりました。
具体的にはテキストを2ページ予習してきて、つまり大体のことが「分かった」という状態になって集まり、授業では「できる」ようにするのです。
「分かる」ということと「できる」ということは全然違うことで、ほとんどの場合、分かったと思ってもできるようにはなっていません。実際にできるようになるためにはいくつもの段階を通過していかなければならないのです。この段階を通過していくのが「授業」です。
これは、単に予習して来るという授業の進め方に似ていますが、かなり違います。
「稲荷の独習数学」があることが違うのです。これは、授業で講義者が伝えようと思っていることが講義調で書かれているのです。そしてそれのどこが分かりにくく、どのような演習を加えれば「できる」ようになるのかを理解している人が授業を担当するのです。
これが稲荷塾の反転授業です。
この1週間に2ページの予習をするのに、平均的に1日30分の塾の勉強が必要です。
これが大変だという場合は「稲荷塾は向いていない」ということです。もっと手取り足取り、丁寧に面倒をみてくれる塾を選ぶべきです。
もし、これが夢のようなシステムだと感じるならば、稲荷塾は合っている可能性が高いです。
では、もし1日に45分ぐらい塾の勉強をすることに問題を感じなかったとすればどうなるでしょうか?
そうすると、1週間にテキスト3ページの予習をすることができます。結果として高校過程を1年間で終了することができるのです。つまり2年間の演習の期間を確保できるのです。
これが「特別クラス」です。
正直言って、ある程度優秀な生徒であれば余裕でこなせると考えています。
はたして、その第一回目の授業がこの前の土曜日にありました。
その日の予定は、まだ、式の展開や因数分解の範囲でしたが、二次関数の終わり近くまで予習してきている生徒もいました。
小テストの成績もまずまずで、基本的に補充プリント3枚が終わるまで残って勉強していました。
要するに、みんな、かなりやる気満々です。
いいですねぇ!
こちらも燃えてきます。