京大受験 …

昔、京大が後期試験を実施していたとき、それを受験する生徒は、よほどの例外でない限り前期で京大に落ちた生徒でした。

そして、前期、後期ともに京大に出願するというのが主流でした。どうしても浪人したくないとか、センターは点が取れ、後期を確保できたから前期は京大に挑戦してみたい、といったような生徒が後期を別の大学に出願していました。

京大に後期がなくなった今、上に書いた2つのタイプのうち後者は京大を受験しにくくなりました。

結果として、京大受験はすなわち一発勝負となり、ダメだった場合は浪人するという傾向が強くなっています。

 

そしてその場合、受かりそうだった生徒ほど精神的ショックを受けます。

特に京大の医学部志望の生徒は悩むことが多いです。

なぜって、彼らは相当に勉強をやりこんできており、それでも届かなかったとなれば、一体この先何をすればいいのだろうか、さらに頑張ったとして、本当に受かるのかという不安を感じるからです。

もう少し具体的に状況を説明します。

京大オープン、京大実戦模試は京大を志望するほとんどの生徒が受けます。このテストで偏差値が55程度であれば工学部に合格します。60なら相当に優秀で、A判定が出ることでしょう。

偏差値60は、京大を受験しようと考えている生徒の中で上位15%程度を意味し、当然、このぐらいの位置にいればまず落ちないと言えます。

ところが、医学部になると話は変わります。偏差値60だと、合格の可能性はほぼゼロです。偏差値70でもA判定は出ません。

偏差値70とは上位2から3%です。

このぐらいの成績の生徒が落ちた場合を想像してください。

受験科目すべてにおいて穴はなく、しかも個々の科目はかなりのレベルに仕上がっていることでしょう。

だから悩むのです。これ以上、一体何をすればいいのかと。

 

なんでこんなことを書いているかと言えば、今年の入試結果が厳しかったからです。大丈夫だと思っていた2人がダメでした。

2人とも相当落ち込んでいました。

しかし、そこからもう一度這い上がって頑張るしかありません。そうして内外ともに成長してほしいと願っています。