東大・京大の問題を解く

原稿の直しをしています。

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今、31ページまで終わったので、ちょうど10分の1ぐらい進んだことになります。

もちらん解答の誤りがないかとか、説明の内容が分かりやすいかどうかのチェックもしますが、字と字の間隔が狭くなっていないかとか(日本語の部分は勝手に機械が間隔を決めてくれますが、数式部分はこちらがそれを指定します)、読みやすい文章になっているかどうかもチェックします。

正直言って骨が折れます。

疲れてくるとチェックが甘くなり、結局もう一度やり直さないといけなくなるので効率的とは言えません。だから一気にがぁっと進めるわけにはいかないのです。

本来、塾は2月は1年で最も忙しく、このような作業には向かないのですが、入塾説明会以降の手続き関連の事務作業を思歩にしてもらうようになったので、今年は驚くほど楽で、原稿直しにもついつい手を出してしまっているのです。

とにかく、早く形にしたいし、私が頑張ることで、来春の出版予定を今年の年末ぐらいに早めることができないだろうかと思ってしまうのです。

 

ここで内容を少し紹介しておきます。

対象は、「標準問題は解けるけれども東大・京大の問題を難しいと感じている生徒」です。

標準問題では、1つの解法を覚えればそれを使うタイプの問題が解けるようになります。ですから、解法を知ること、そこで使われる知識と技術を完成させることが重要になります。

しかし、これがほぼ完成したとしても東大・京大の問題は解けるようになりません。

東大・京大では「知っていますか」とか「使えますか」という問いかけはなく、別のことが問われるのです。

これを知らずに、解法を身に付ける勉強を続けたとしても、時間だけが過ぎて行き、自分の成長を感じることができません。そうすると数学が「伸びを感じることが難しい、ストレスの多い科目」になってしまうのです。

ですから、ある程度の技術が身に付けば、次の段階に進まなければなりません。

数学の問題は

  1. 条件
  2. 結論

が与えられており、この2つをつなぐことを「問題を解く」と言います。

標準問題ではこの2つの距離が近く、その問題を解くための解法を知っていれば自動的に解決するようになっています。

しかし、東大・京大の問題ではこの2つの距離が遠く、問題文を読んだ後、「一体どういうことなんだろう?」と問題文の意味を探るための作業が必要になります。この点が一般大学の問題とは決定的な違いになっており、これを紐解くための技術を磨かずして東大・京大の問題は解けるようにはなりません。

ですから、標準問題が解けるようになったら、1. 条件と2. 結論の距離が遠い問題について両者の距離を縮めるための技術を学び始めないといけないのです。

今回の本では、この「問題文の意味を探るための技術」について書きました。

私の知る限り、同じテーマで書かれた本はありません。

東大・京大レベルの問題集はたくさんあります。その多くは高い観点からの冴えた解答を載せており、「そうするのか!」と感動することはできますが、一般の高校生にその発想ができるのかと問うてみれば、かなり難しいと言わざるを得ません。それは、その解説を書いている方(多くは予備校講師)と高校生の間で持っている知識の差があまりにも大きいからです。

ある意味、この本は私自身の「東大・京大の問題が解けるようになった軌跡」です。

東大・京大の問題を難しいと感じている段階から合格点が取れる段階へと飛躍してほしいと願っています。