あのな、商売はやり方一つや!
先日、整骨院に行ったら、来年は日曜日を利用して新しい技術を学びに行くんだと若い先生が意気込んでいました。
100万円ぐらいかかるそうです!
う~ん、
これを聞きながらいろんなことを考えました。
まず思い出したのは私のビジネスの師匠でもある友人U氏の言葉です。
「ある程度のレベルを越えたら、そのレベルを上げることではなく、どうして売るかを考えなあかん」
これは自らの技術を磨くことにやっきになっていた私へのアドバイスでした。
思えば私は35才のときに京大に入りました。もちろん勉強するためです。
しかし、そのための出費は痛すぎました。子どものためにお金を出すのは当然のことですし、喜びでもあります。でも自分の勉強のためとなると、入学金と前期の授業料、いくらだったか忘れましたが、とんでもなく高く感じたことを覚えています。
だから半年で休学し、単位を取ることを諦め、受けたい授業だけ、ただで潜り込むことにしました …
まあ、いろいろありましたが、U氏にアドバイスを求めたのが40過ぎのことですから、かなり長期間にわたって同じ傾向を維持していたことになります。
それで、「売ることを考えなあかん」という内容はすごく新鮮でしたし、全く違う観点だと感じました。
当時、彼は湯葉を作る仕事を始めて何年目かのときで、前掛けをして、どこにでもいる職人さんという雰囲気でしたが、見ている世界は普通の人ではありませんでした。
「あのな、商売はやり方一つや。湯葉かてな、もっと旨いやつを作ろうと思えば作れるんやで。せやけど、十分旨いというとこまで来たら、もっと旨い湯葉を作ることより、それを売ることを考えなあかん」
彼の声は私の耳に鮮明に残っています。
実際、その後彼は湯葉料理専門店を作ることを初めとしてどんどん事業を拡大していきました。
稲荷塾も変わりました。
名前を「稲荷塾」とし、ホームページを作り、チラシは意見広告にしました。
売る努力を始めたのです。
「Math Lecture?何やそんな横文字、わけわからへんやん。稲荷塾にしっ。稲荷さんは経歴も変わってるし、もっと自分を売らなあかん。チラシかてな、人の言葉で宣伝してもあかんで。自分の言葉で思てることを伝えなあかんで!」
稲荷塾がボンと発展したことはありませんでしたが、それでも右肩上がりでじりじりじりじりと成長し続けて来れたのはU氏のアドバイスが基礎にあると感じています。
そして今、再び自らの腕を磨くことの必要性を感じています。
昨日のブログで書いたように、知らず知らずのうちにパワーが衰えていたことを感じたからです。
もちろん、お金を出してまで学ぶつもりはありませんが。