東大、民間英語試験改革を骨抜きに。
松谷です。
東大がやっと、民間英語資格試験に対する態度を固めました。
まずは、新入試の初年度、すなわち今の高1生に対しての態度です。
(それ以降、変わる可能性は十分にあります。)
「2021年度東京大学一般入試における出願要件の追加について」の公表にあたって(東大のホームページより抜粋)
それは、抜粋しますと、
従来の出願要件に加えて、次の (1)~(3)のうちいずれか1つの書類の提出を求めることとします。
(1) 大学入試センターによって「大学入試英語成績提供システム」の参加要件を満たす と確認された民間の英語試験の成績(ただし、CEFR の対照表で A2 レベル以上に相当するもの)。
(2) CEFR の A2 レベル以上に相当する英語力があると認められることが明記されてい る調査書等、高等学校による証明書類。
(3) 何らかの理由で上記(1)(2)のいずれも提出できない者は、その事情を明記した 理由書。
*上記(1)~(3)のいずれかの提出がなければ出願は受理できませんが、受理された後 は合否判定の資料としては用いません。
というものです。
これに対する見方はいろいろあります。
突然の民間試験の不平等などで本当に困りそうな人への抜け道は用意したうえで、民間試験を導入した。これにより、国立大学協会との足並みをある程度揃えて、顔を立てることはできた。
という見方はあります。
しかし、僕の感想、というか大部分の人の感想は違うんではないかと思います。
その見方は、
文部省主導の今回の英語民間試験導入を、完全に骨抜きにした。実質無効化した。という見方です。(とりあえず初年度については。)
(1)のA2レベル以上の資格の提出は、英検でいうと準2級です。センター試験でいうと100点ちょっとくらいとれるレベルでしょうか。これをとれない東大受験生は99%いません。
(2)高校による先生のお墨付きというのは、内部でどうやって処理してもよいよということに他ならないでしょう。
(3)障害などに配慮して、理由説明ありでOKにするとしたものは英断でしょう。
つまり、結局トータルすると、英語民間試験はまだ信用できませんよ。自分たちの2次試験でしっかりとれる人を求めますよということですね。
僕とかは、実際、高校までに何の英語の資格も受けたことがなかったので、資格試験受けるのが面倒くさいなと思ったと思うので、自分が高校生ならありがたい気はします。
まあ、ただ、東大が民間試験を導入しなかったのは、スピーキングの軽視ということではないとは思います。バランスの良い英語力を身に着けて欲しいという意図は、英語の入試からすごく感じますので。
まぁ、京大含めて、実際の詳細の情報などがまだまだ出てきたりすると思うので、それを注視していきたいと思います。