計算を速く正確にこなすには?
小学生部で、相談を受けました。
計算が遅いのだけれども、公文かそろばんか何かをやらせた方がいいのか?
という内容です。
私の答えは以下の通りです。
まず、そろばんでは文字式は扱えませんし、単純な計算が速いか遅いかは重要ではありません。
それから、計算とは基本的に作業です。
そこにわくわくするような創造的なものは含まれておらず、多くはめんどくさいものだということです。
ですから、数学方面に特性があれば、どうしたら楽に処理できるだろうか、と考え続ける結果、勝手に速く正確になるのです。
ドリルを積んだからといって速くなるものではありません。
むしろ、ドリル系は「あほらしくてやってられない」というのが本音です。
ということは、計算が遅く、よくミスが出るとすれば、それは考えるべきことが考えられていない証拠だということです。
じゃあ、そういう場合、どうすればいいのでしょうか?
ドリルをさせてみるのも一つの手です。
もし、「嫌だなぁ、めんどくさいなぁ」と感じているようならば、目があるということです。
この前、高校数学のあるクラスで、簡単な3次不等式が解けなかった子がいました。
見てみると、1行で済むような式変形に5行ぐらいかけているのです。
それを見た瞬間、この子は何も考えて来なかったのだなぁ、と感じました。
そうなると、いくら高校数学を入れても、足元から崩れて行くので、永遠に積み上がることがありません。
その子の場合、もうぎりぎりのところまで来ていると思いました。ここで姿勢を変えない限り、飛躍はありません。単に勉強時間を増やすかどうかという問題ではないのです。
相当厳しく言いましたが、受け止めてくれたかどうかは分かりません。
小学生部では、決してそういう厳しい話はしません。
小学生の段階では、楽しいと感じることが一番大切だからです。
もちろん、「こうすればもっと楽だね」といったようなヒントは与えます。
しかし、それをすっと受け止められるか、あるいは自分のやり方に翻訳しなければ入らないかで成長スピードが変わって来ます。
自分で考えることができる自由な雰囲気、自分が肯定されていると感じる安定感、こういったものが「楽しい」と感じる基盤なのではないかと思うのです。