雨はしとしと
数Ⅲクラスでは遂に今日で微分積分を終了します。
そして、8月いっぱいで複素数平面と二次曲線も終えて数Ⅲの完了となります。
半年で数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲのそれぞれが学べるようになって、いろんな意味で楽になりました。
まず、何と言っても進度的に遅れている諸君が容易に追いつけるようになったこと。
さらに、早く進んでいる諸君にとっては、いろんな作戦が立てられるようになったことも大きな利点です。
今日数Ⅲクラスの塾生は、微分積分の終わりにあたって、微分方程式を学びますが、関連する話をしておきたいと思います。
まず予備知識から始めます。
速さ×時間で距離が出ます。
つまり図の斜線部の面積が進む距離を表しますが、これは速さが一定の場合の話です。
ところが、実際には速さが一定という場合はほとんどなく、速くなったり遅くなったりするのが普通です。
しかしこの場合も、非常に短い時間について考えれば、速さはほぼ一定と見てよく、その場合、その短い時間に進んだ距離は図の斜線部のようになります。
これを寄せ集めて行くと、結局グラフの下の部分の面積が進んだ距離を表すことが分かります。
すると、重力加速度を 10m/s^2 として等加速度運動で物が落ちて行くとすれば(つまり物を落としたら、1秒後には10m/s、 2秒後には 20m/s のように加速して行く)、進んだ距離は次のようになります。
もし、雲から落ちてくる雨がこのように運動したらどうなるでしょうか?
雲は大体 5000m から13000m 上空にあります。
計算が楽になるように、少し低めに見積もって、今 4500m 上空の雲から雨が落ちて来るとすると、
4500=5t^2 より t=30
つまり30秒後に雨は地表に到達します。
その時の雨の速度は
v=10t
に代入して 300m/s です。時速に直すと 1080 キロです。
約音速です。
この雨に耐えられる人は誰もいません。
家の中にいても、雨は屋根を貫通して来て、全滅間違いなしです。
でも、みなさんご存知の通り、雨はしとしと降ってきますよね?
つまり等速運動で雨は落ちてきます。
決して等加速度運動はしません。
なぜでしょうか?
そこで微分方程式の登場となるのですが、…
to be continued