中学数学の勉強法:保護者が確認すべき効果的な学習のポイント
⏱ 更新日 2025.11.27

こんにちは。京大受験のための数学専門塾、稲荷塾です。
数学は「面白い、得意」と感じる子と「全然わからない」と感じる子にはっきり分かれやすい科目です。
勉強法の少しの違いで理解の深さが大きく変わることがあります。
中学生のお子さんがいる保護者の方であれば、勉強の仕方をチェックしたり、横に座って勉強を見ることも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、保護者の方に知ってほしい中学数学の学習のポイントをお伝えします。
せっかく勉強するのであれば、正しいやり方でしっかり成績を伸ばしていきましょう。
Contents
中学数学の勉強法:まず確認すべきこと
中学数学の勉強をするうえで、まず確認してほしいことを二つお伝えします。
丸付けと解き直しをしっかりする
一つ目は、問題を解いたら丸付けと解き直しを必ず行うことです。
「当たり前ではないか」と感じるかもしれませんが、難関大学を目指して塾で学習している高校生であっても、丸付けと解き直しが十分にできていないことが意外と多くあります。
問題集の一ページや大問一題など、区切りの良いところまで問題を解いたら、すぐに解答を確認する習慣をつけてください。
単純な計算問題以外では、答えの数字が合っているかだけでなく、問題の解き方まで合っているかを確認すると完璧です。
高校受験の段階では答えの数字が合っているかが重視されることが多いですが、大学受験が近づくほど、思考過程が正しく伝わるように記述する力が必要になります。
最初は時間がかかっても、解答をしっかり確認する習慣をつけておくと後から成績が伸びやすくなります。
また、間違えた問題は解答を読んで納得したら、必ず自分で解き直すようにしてください。
ここまでが数学の学習の一連の流れです。
中学数学で習う解き方をする
二つ目は、算数のやり方ではなく中学数学で学ぶ解き方を使うことです。
中学数学の問題でも、問題によっては算数の知識だけで解ける場合があります。算数のやり方の方が速く解けることもあります。
しかし、中学数学の学習を始めたら、普段の勉強では中学数学で学ぶ解き方を使うようにしましょう。
例えば、下の方程式の問題であれば、小学生でも算数の知識だけで解くことができます。

しかし、中学数学から高校数学に進むにつれて、問題の設定が段々と複雑になり、算数のやり方だけでは対応できなくなります。
特に中学受験を経験した場合は注意が必要です。中学受験対策で訓練を受けた生徒は、いろいろなパターンの問題に対して速く答えを出す方法を知っていることが多いからです。
定期テストで時間が足りない場面では算数のやり方を使って答えを出すことも考えられますが、普段の学習のときは必ず中学数学の解き方を使ってください。
中学数学は高校数学の準備です。中学数学をきちんと深めると、高校数学の数ⅠAの理解が進み、数ⅠAを土台として数ⅡBや数ⅢCで様々な分野を学ぶことができます。
理解を一つずつ積み重ねて、解ける問題を増やしていきましょう。

効果的な勉強の流れ
それでは、勉強を効果的に進める方法を紹介します。
「勉強しているはずなのに成績が伸びない」「学習の進め方が分からない」と感じるときこそ、基本に戻って勉強の進め方を見直しましょう。

ステップ1:新しいことを学ぶ
まずは新しい学習内容を学びます。
中学校の授業よりも早く進める場合はもちろんですが、中学校の進度で進める場合でも、いつでも学習内容を確認できる教材を用意することをおすすめします。
本人が分かりやすいと感じる講義動画が揃っている教材や、解説がしっかりした参考書を準備しましょう。
学習するときは次の順で進めるとスムーズに学べます。
- 説明を受ける
- 例題で問題の解き方を確認する
- 簡単な問題を自分で解いてみる
ステップ2:問題を解く
学習範囲を一通り理解したら、まとめて問題を解いてください。
難しい問題を無理に解く必要はありません。教科書レベルでいろいろなパターンの問題が載っている問題集を使いましょう。
実際に問題を解くと、分からない箇所や覚えきれていない箇所が出てきます。
分からない点が出たら、ステップ1で使った講義動画や参考書に戻って確認してください。
ステップ1の教材とステップ2の問題集を何度も行き来することで理解が深まります。
大変な作業ですが、根気強く取り組んでください。
ステップ3:テストをする
自分で問題が解けるようになったと思ったら、テストを行いましょう。
多くの問題数をこなす必要はありません。重要な問題だけを集めた問題で実力を確認してください。
何も見ずに解こうとすると解けないことがあります。
学習が不十分な部分を見つけることが目的なので、自信がある場合は少し難しめの問題に挑戦すると、より効果的です。
間違えた問題は解答を読んで納得したら、必ず解答を見ずに最初から解き直してください。
稲荷塾では、ご家庭でも効果的な流れで学習できる参考書『最速最深中学数学』と対応テキストを販売しています。

応用問題が解けないときは
「応用問題になると解けない」という相談をよく受けます。何をすれば良いのか分からずに、問題用紙をじっと眺めている人が多いかもしれません。
実は、高校の入試問題レベルの応用問題を解くときは、数学の講師であってもきれいな模範解答をすぐに書けるわけではありません。
まずは手を動かそう
最初から解き方が分からなくて当然です。
問題文に何が書かれているか、何を答えれば良いかを考えながら、まずは10分程度手を動かしてみてください。
例えば次のようなことを試してみると良いでしょう。
- 図やグラフを書いて状況を理解する
- わかっている長さや角度の大きさを図に書き入れる
- 問題文で与えられた式を変形してみる
- 条件に当てはまる数字を分かるものから書き出してみる
解けなかったとしても、自分で考えて手を動かすことで、問われている内容をより深く理解でき、解答を見たときの学習効果が高まります。
自分で解き直そう
解けなかった問題は、解答を見て答えを写すだけで終わらせてはいけません。
解答に納得したら一度すべてを閉じて、最初から自分で解き直してみましょう。
納得した直後でも、スムーズに解けないことがよくあります。
詰まった部分は「わかったつもり」になっていた部分です。
もう一度しっかり解答を確認し、次は自分で解けると思えるところまで勉強し直しましょう。
また、解けなかった問題に印をつけておき、ときどき復習をするとより効果的です。
解けるようになったと思っても、期間が空くと解けなくなっていることがよくあります。
〔分野別〕勉強法・解き方のポイント
ここからは、分野ごとの勉強法や解き方のポイントを紹介します。
代数
中学数学の中で、特に基礎が重要な分野が代数です。
最初の授業や参考書の最初のページは簡単に感じるかもしれませんが、なんとなく先に進むのではなく、計算のルールをきちんと理解することを心がけてください。
公式を暗記して当てはめるのではなく、なぜそのように計算するのかを理解することが重要です。
少し複雑な計算になると、基礎の理解の有無で正答率が大きく変わります。
基礎が理解できたら、もっと楽に解ける方法はないかを常に考えるようにしましょう。
例えば、下の問題であればどのように計算すれば良いでしょうか。

深く考えなくても解ける方法は①です。数学が本当に苦手な場合は、この解き方だけをマスターすることが目標になります。
②は、教科書にも載っている計算の工夫です。かけ算をする前に、かける数を簡単な数に直すことで、その後の計算が楽になります。
さらに楽に解く方法もあります。例えば③のように、18と30の最大公約数が6であることに着目して、かける数を(√6×何か)に直します。
そうすると、最後に根号の外に出てくる整数の部分が6であることがすぐにわかり、素早く計算できます。
楽に解く方法を常に意識して学習することで、徐々に計算が速く正確になります。
幾何
幾何の問題を解くときは、まず図を大きく描くことが重要です。
解答用紙の半分くらいの大きさで図を描き、図に辺の長さ、長さの比、角度の大きさなど、気がついたことをどんどん書き入れると問題が解きやすくなります。
証明問題は「何を示すか」をまず意識することが重要です。
問題文に書かれている条件から「何が使えるか」ばかり考える生徒が多くいますが、その考え方で解答にたどり着けないことがよくあります。
必ず、
- 何を示すか
- そのために何を使うか
の順序で考えるようにしてください。
幾何のすべての単元を学習し終えたら、学習した内容をいつでも取り出せるように整理しておきましょう。
問題文を前にして何をすれば良いか分からず固まってしまう生徒がよくいますが、中学数学の図形問題で使う定理は限られています。
整理した道具から順に使うものを選べば、自然と解法が見えてきます。
関数
関数の問題でも、グラフはできるだけ大きく描いてください。
大きなグラフに分かっている座標や式を書き入れていきます。
関数の問題を解くコツは、「知りたい情報は何か」をまず考えることです。
- 点の座標が知りたいときは、その点を通る線を考える
- グラフの式が知りたいときは、そのグラフが通る点を考える
- 座標平面上の面積が知りたいときは、どの長さが分かれば良いかを考る
このように、知りたい情報にたどり着くために必要な情報は何かを順に考えていきましょう。
確率
確率の問題は、解けたつもりでも答えが合わないと悩むことがよくあります。
問題文を読んで解き方を考えたら、数えたり計算したりする前に一度立ち止まって考え方を見直してください。
場合分けをするときは、その分け方で漏れがないか、重複がないかを必ず確認し直すことが重要です。
Aの場合, Bの場合, Cの場合に分けて数えようとしても、あるものがAとBの両方に当てはまる場合や、A・B・Cのどれにも当てはまらない場合があると正しく数えられません。
確率を求めるときには、分母が起こり得るすべての場合の数になっているかを確認してください。
例えば、二つのサイコロの和が7になる確率を求めるときに「サイコロの和は2から12までの11通りだから分母は11」と考えるのは誤りです。
各サイコロの目の組み合わせは6×6の36通りで考えるのが正しい方法です。
場合の数や確率の問題では、数え上げる前に一度考え方を見直すことで、「できたつもりで間違っていた」ということを減らせます。
効果的な勉強をしよう
中学数学の勉強方法や注意点、分野別のポイントを紹介してきました。
時間をかけて勉強する教科だからこそ、中学生のうちから効果的な学習のやり方を取り入れることが重要です。
中学数学は一度にたくさん詰め込んでも身につきにくい科目です。
毎回の学習で「丸付けをすること」と「間違えた問題を自分で解き直すこと」を必ず続けてください。この二つの習慣だけで理解は大きく深まります。
さらに、普段の学習では算数の解き方に頼らずに、中学で学ぶ数学のやり方で考えることを続けてください。
中学数学のやり方を身につけることが、高校数学の学習をスムーズにし、将来の大学受験でも強い基礎になります。
稲荷塾は学習の習慣づくりと全体設計をサポートしますので、学習方法に不安があれば遠慮なくご相談ください。

