京大理系数学-2025年 大問3(微分) 解答と解説

問題

数IIIの微分からの出題であった。

見かけ上は大変そうに見えるが、今年の問題では大問1の小問集合を除いて一番方針が定めやすく取り組みやすい問題となっている。合格には必須の問題だと感じている。

実際に計算してみると、計算自体もそこまで大変でもなく時間をかけずに完答した受験生も多かったのではないかと思う。

近年の京大の理系数学において、数IIIの微分・積分をテーマとした問題は毎年およそ1問出題されており、極端な難問は少なく比較的取り組みやすい傾向が続いている(2024年度(極限を求めるのは少し難しい)、2023年度2022年度)。

京大は他の大学と比較して数IIICにあまりウェイトが置かれていない印象があるので、受験生の中には数IA・数IIBの方が得意で数IIICは苦手という人も多い印象があるが(かくいう自分もそうであった…)、微積分に関しては過去問などを使ってしっかりと対策していけば得点源にしやすい分野であるといえる。

ただ、要領よく計算を進めることができるようになるには基礎から応用までのかなりの演習量がいる。学校の進度では高校3年生の夏を過ぎてから数IIICが終わるような場合には、教科書や参考書を使って独学で数IIICを勉強し、手頃な問題集で基礎を確かめた後に、実践的に過去問などに取り組むと良いだろう。

数IIICは案外独学に向いているように思う(数IIBで基本を学ぶからかもしれない)。その際、京大の問題では歯ごたえがないと感じれば東大や東京科学大(東工大、特に数IIICからの出題が多い)、阪大の入試問題は難しい微積分の問題が揃っているので取り組むと余裕が生まれるだろう。

方針

問題文に条件があり、それに則って方程式を作りながら進めていけば良い。特にこれといって発想が必要な部分はなくあっさりしすぎていて不安になるが、計算を進めていくと、p(t)の増減を調べるために考えた導関数がいい形で因数分解できることが見えるので、そこまでたどり着けば安心できたことだろう。

ただしy=g(x)のグラフの形を具体的に考えるのが面倒なので、直感から答えが合っているかどうかを判断するのは難しい。簡単な問題だったので最後の代入の計算をミスすると大幅な減点が予想される。解けたと思って気を抜かず、最後まできっちりと確認するようにしておこう。

一つだけ注意点を挙げるとすると、法線(接線に垂直な直線)の方程式を求める際に、「接線の傾きと法線の傾きの積は-1だから…」というように計算してしまうと、接線の傾きが0である場合を別で考えなくてはいけなくなる。今回、xの定義域からf’(x)>0であるので場合分けは必要ないが、どのような場合においてもベクトルの内積を用いて法線の方程式を作った方が減点される要素を減らせるので、この方法はおすすめである。

解答