東大寺高校受験廃止について

東大寺が2年後から高校受験をやめるそうです。

どうしてでしょうねぇ …

中高一貫校だけれども高校からも生徒を募集しているところが減り続けています。

洛星が高校受験をやめたのが2013年。これは高校受験組が中学受験組より大学への合格実績が低かったのが原因です。それもはっきりと分かるレベルで。

他の高校受験をやめた中高一貫校の理由も同様だと思われます。

ところが、東大寺は高校受験組も善戦しているという数少ない学校のうちの一つだったので、どうして高校受験をやめるのか、その理由を知りたいところです。

 

その辺りを想像しつつ、関連事項について考えてみます。

中学受験と高校受験を併設すると、もちろん、受験に関係する手間がかかります。また、両者では進度が違うので、別のカリキュラムを準備して高校受験組が追いつけるようにしなければなりません。これも手間です。

それから、中学受験組と高校受験組が違う文化を作ってしまうと、学校全体の雰囲気が悪くなり、運気が下がってしまいますので、これも注意しなければなりません。

これでうまくいっていないと思われる典型例が洛北です。中学と高校の文化が違い過ぎて、学校としての統一感を失っています。

洛北と西京は同時にスタートした京都の中高一貫校です。当初は洛北がリードしていました。

当初、西京はノウハウの蓄積もなく、いきなり中高一貫校になったことに戸惑っているように見えました。中学受験組が進度を遅らせて高校受験組を待つのもどうかと思いました。

しかし、西京において中学受験組と高校受験組の両者が同じ目標を持っていることが強みになったと思います。今はいいムードを形成しているように見えます。

ということで洛北と西京、合格実績も逆転しました。

立命館のように外部大学へ進学するコースを作っているところもこの文化の問題に悩んでいます。外部の大学を受験するために頑張っている生徒は4階の教室を使っているそうですが、3階までの全く勉強しない雰囲気の影響を受けないはずはなく、伸び悩んでいると聞きます。

一つの学校に異なる文化が同時に存在するのは難しいのです。

 

洛南も自動車科やⅠ類があったころはそういう課題に悩まされていただろうと思います。Ⅰ類を廃止し、Ⅲ類に統一したときでさえ、中学受験組と高校受験組には合格実績に大きな差がありました。そして今もこの課題は続いているはずです。

ただ、洛南は非常に動きが速い学校です。何かの課題があるとき、大胆に、しかも素早く行動します。まるで小さな組織であるように。おそらく今後も改革を続けていくだろうと思います。

 

さて、東大寺は何を考えているのか …