頑固一徹

ビジネスって金儲けですよね?

でも、何かに貢献するという側面も重要です。

このバランスを上手くしていれば、そのビジネスは発展して行くことでしょう。

しかしもし、たとえば後者にのみ意識を集中していたとしたら …。

 

稲荷塾の場合、「京大に入りたいけど、あと一歩の飛躍をするにはどうしたらいいのか?」という課題を持っている受験生に「こうすればいい!」という明確な道のりとノウハウを提供するという目標を持って始まりました。

まず市場が非常に狭いです。それに、そういう層の生徒は名前と実績のあるところに集まっていて、彼らに認知されるのは容易ではないのです。

ですから、対象を広げればよかったのかも知れません。阪大や神大を目標とする生徒も集めるようにすれば、急に範囲が大きくなります。さらに関関同立を目指す生徒にまで対象を広げれば、劇的に市場が拡大します。

ビジネスとしてはそうすべきだったのかも知れません。

でも、人には得意不得意というものがあり、私の場合、それは苦手だったのです。

それから情熱の問題があります。

ある生徒が「京大を目指している」と言えば、それだけで応援したい気持ちがあふれて来ます。

逆に「東大・京大なんて考えていないんですけど」とか「センター数学を何とかしたい」なんてな声を聞けば、「じゃあ、そういう対策をしてくれるところに行けばいいね」などと感じ、しゅるしゅるっと情熱が冷めます。

まあ、ラーメン屋で言えば、「ガンコ一徹、こだわりオヤジ」といったところでしょうか。

もう少し正確に表現すれば、「商売が下手」だったのです。

 

ところでみなさん、リスティングってご存知ですか?

私はこの前、卒業生の高井君に教えてもらいました。彼は小林製薬でマーケティングに携わっており、稲荷塾ももっと上手く宣伝すべきだということで、いろいろとアドバイスをしてくれる中で、「リスティング」が飛び出したのです。

「何それ?」

全くの初耳でした。

たとえば、グーグルで何かを検索したとします。すると、グーグルが順位付けた有力候補から順に表示されますが、そのトップのさらに上に自分の広告を載せることができるのです。

そうすると、「おっ、これが一番有力候補か!」などと思って、ホームページを覗いてもらえることになるという手法らしいです。

でも、リスティングされた候補には「広告」という表示が付くため、この頃ではそれを無視して、グーグルが定めたトップのところに行ってしまう人も増えて、効果は下がりつつあるそうです。

ただ、費用をそんなにかけずに広告することができるらしく、有力な手段であることには変わりないとのことです。

 

それで、そういう宣伝方法も検討すべきかと勉強を始めているところですが、ここで質問です。

たとえば、

「京都数学塾」

と打ったら、グーグルで一番に表示されるのはどこでしょう?

 

じゃ~ん、

 

何と稲荷塾でした!

 

えっ、まじ?!

この頃、「検索していたら稲荷塾が出て来たので、それで存在を知りました」なんてな声を聞くことがあり、にわかに信じることができなかったのですが、そういうことが起こっても不思議ではないところまで来ていたのです。

 

とすると、「ガンコ一徹」もそんなに悪くないのかも知れないですよね …。