シャポバロフ〜若者の台頭の意味〜
松谷です。
いま、テニスファンだけが見るような大会が実施中です。
カナダのモントリオールで行われているロジャースカップという大会です。
そこで、地元期待の若手18歳のシャポバロフが大活躍して、ベスト4に入りました。
近ごろテニス界は、テニス界全体のレベルアップにともない若手が勢いだけで勝つとかそういう風なことが明らかに難しくなりました。そのせいで、昔だったらかなりあったような10代の活躍がなくなり、昔だったらほとんどなかったような30代の活躍が頻繁に見られるようになりました。
しかし、いつの世もそれまでの時代の流れをあざ笑うかのように、突然その流れを突き破って出てくる選手というのが存在します。それこそが、スターの特徴なわけです。
そんなスターの特徴の片鱗を見せたのが、シャポバロフ選手です。金髪で長髪という古すぎるため一周回って逆に新しい容姿で派手に登場し、プレーにも爆発力があり、地元は熱狂しています。
しかし、そんなスターですが、その実際の技術的なところは破天荒なわけではありません。
左利きのフォアはナダルとも互角の打ち合いを見せるなどスピンのきいたショットで、勝負に行く時のキレはマルセロリオスを彷彿とさせるようなしっかりしたショットです。片手バックハンドは、自身のアイドルであるロジャーフェデラーを彷彿させる少しクラシカルですが、すごくシンプルなバックハンドを打ちます。
いつの世もスターは突然に現れますが、そこにまったく基礎がないケースというのはかなり稀だと思います。
ある強固な基礎があって、そこに何かプラスオンして乗せてきたり、基礎をいろいろ組み合わせて自在に使うことができたり、基礎を身につけたうえでもう一段階進めたりするから、スターになれるわけですね。
数学の勉強とかでも、強烈に数学ができるようになるというために、一足飛びに行きたいという気持ちはわかりますが、一見派手な特殊な技術ばかりを身につけるというのでは決してうまくいかないと思います。まずは強固な基盤を築くが大事ということです。
その上で、自分の勉強のやり方の特性を掴んで自分に合うやり方を極限までつきつめてやった人に道が開かれていくわけです。
何か伸びないなという人は、自分を振り返って自分に基盤はちゃんとあるのかなというのはちょこちょこ考えてくださいね。
独習数学の青囲みの部分は意味を分かったうえで、ノータイムで答えられるとか、例題のところは、見ただけで、解答の方針と注意点がわかるとか。そういったことで結構ですので。
まぁ、そんな風にシャポバロフから話を広げましたが、彼は準決勝で、ズベレフというこれは誰もが将来の世界一位の器と語るような超本格派な20歳の若者に敗れました。
若者の台頭には、いつも心が踊らされますね。
フェデラーやナダルなど今なお頑張っているベテランの活躍と絡まり合って、切磋琢磨して、テニス界を盛り上げていって欲しいなと思います。
稲荷塾も、稲荷先生も僕もカーメリアもチューターの先生も塾生も刺激し合って良い場になればよいなと思いますね!