京大賛歌
人の考え方や感じ方はどんどん変わります。
1997年に稲荷塾をオープンした当時は、「京大はいいですよ。京大に行くと人生が変わりますよ!」というスタンスでした。
実際1994年に予備校講師になったとき、その仕事を続けて行くつもりなら京大じゃないとダメだと知りました。
まず、人事等を決めている方たちは講師の細かい実力差なんて分かりません。
ですから、結局出身大学で人を測るのです。
そうすると、担当クラスに始まり、自分がやりたいと思う仕事を回してもらえないのです。
相当、悔しい思いをしました。
それで翌年京大を受けました。
予備校講師になって時間的余裕ができ、これなら大学に通いながら仕事を続けられると思ったことも受験の理由のひとつでしたが、「絶対に京大に行かなければならない」、これは状況を改善するための必然的結論だったのです。
そうして京大に受かったらどうなったでしょうか?
最初の大きな変化は、予備校で京大クラスを担当させてもらえるようになりました。
予備校での京大の入試問題の解答速報の作成会にも呼んでもらえるようになりました。
はっきり待遇が変わりました。
下請け講師としてではなく、一人前の講師として扱ってもらえるようになったのです。
それから、大学での授業も刺激的でしたし、何と言っても、その空気を吸ったということが自分自身の授業を変えたと思います。
何と言うんでしょうか。
受験生が経験することを自分自身も成功裡に先に通過したという、暗黙の自信といったようなものがあらわれるようになったと思います。
これがそのまま1997年、稲荷塾を立ち上げた当時の目標になりました。
宣伝のチラシのキャッチも
「京大受験に数学で勝つ」
なんて書いていたと思います。
何か初々しいですね …。
しかし、それがなじんでくると、より本質的なことは何だろうか、とか、もっと効率の良い方法はないのか、といったようなことを考えるようになるのです。
稲荷塾も随分変わりました …。
しばらく前に「頭のいい子には中学受験をさせるな」の続編を書くことを決めたと報告しました。
そのためにまず資料集めをし、続いてその読み込みをしています。
そうすると、過去に書いたおもしろい記事がどんどん出て来て、今回は思わず過去を振り返ってしまいました。
どのように変わったのかという部分は、当ブログの読者には感じ取ってもらえると思うので、省略します。
ps アイキャッチの写真は京大の合格発表時のものです。
娘の髪は私が切っていたはずです。