子どもは会話を呼吸する
小学生を見ていると、質問をすることが苦手な子が多いことに気付きます。
これは一つには、コミュニケーション能力の発展途上にあるということですが、タイプ的には以下の2つに分かれるように見えます。
1つ目は、何が分からないのか、自分の状況をうまく伝えることができないタイプです。
大概は、「この問題が分かりません」と言うだけの作業ですが、これを難しいと感じる子が多いです。
この手のタイプには、質問すること自体に大きな抵抗を持っている子が多く、仮にそこはクリアできたとしても、今度はこちらの説明を集中して聞けないという傾向を持ちます。
こういう子を見ると、家庭で十分話を聞いてもらっているのだろうかと疑問に感じます。
関心を持って最後まで話を聞いてもらう中で、子供は話し方、そして話の聞き方を学びます。
また、自分が肯定されていると感じ、いつも自分に関心が注がれていると実感することが大事で、これがあると子供は安心感を持って自分のことを話し始めます。
この安心感が足りなかったり、規律が多過ぎると、自分を出すことを躊躇するようになるのです。
これが第1のタイプです。
もう一つは、この逆です。
肯定され過ぎたり、規律がなさ過ぎると、要領を得ない質問をするようになります。
自分のことを分かっていてくれるのが当たり前だと感じると、主語を省いたり、こちらがまだ質問の内容を把握する前にしゃべり出したりするようになります。
あるいは質問が脇道にそれたり、まるで友達と雑談しているかのような質問になったりしやすく、こういう子の話し方には規律と目的意識の欠如を感じます。
これが第2のタイプです。
結局、どちらもその背景に家庭での会話があると思うのです。
まず、親としては、子供に対して規律のある肯定をすることが大事です。
つまり、「自由にのびのびと」などと言うと、いいように聞こえますが、そこに目的意識と理想がなければ、単なる放任になってしまいます。目的意識と理想があるから規律が生まれます。
ですが、その目的意識と理想は親が全部を決めるものではなく、子供の領域に介入し過ぎると、子供の表情は硬くなり、自由度を失います。
この辺りのバランスを上手く取ることにより子供は育って行きます。
子供にとって、家庭内での会話は呼吸のようなものだということです。
いい空気を作りましょう!