数Ⅲクラスの風景

反転授業の小テストの直しではクラスのメンバー同士で教えあったり、参考書のどこを見ればよいのかといったような情報を交換したりすることをよしとしています。それはある程度成績がよいクラスでは機能し、自分で調べたり私に質問するだけより、効果的に小テストの直しを実行できるように感じています。

 

とは言え、ずっと一緒に勉強していれば誰がよく勉強していて、誰が優秀であるかが分かってしまうので、大概は教える側と教えられる側に分かれるのです。そして学年が下の子が教える側にになることもしばしばです。たとえば数Ⅲクラスでは高2の洛南の子が中3の洛北の子によく聞いていますし、高1の洛星の子も中3の灘の子によく質問しています。

しかし、高2の堀川の子が中2の公立の子に教えてもらうとなると、これはかなり特殊ケースなんだと思います。

まあ実際、その中2の子は堀川の高2に入れてもほぼ間違いなくトップだろうと思うぐらい優秀ですが …

 

数Ⅲクラスの話題が出たところで、関連事項を書いておきます。

入試は数ⅡB中心で、数Ⅲというのは数ⅡBの微分積分分野が多いので一部を数ⅡBに残し、一般関数の微分積分を数Ⅲと呼ぶことにしたのです。

ですから、数Ⅲに入ってそんなに新しいことが出てくるわけでも、その内容が難しいわけでもありません。

当然、スムーズに数Ⅲの内容が入っていく子もいます。

しかし、思いっきり苦戦する子も出てきます。

なぜでしょうか?

それは数ⅡBの基礎が弱いからです。「ここは積和を使って …」とか「指数型底の変換公式を用いて …」などと言った説明が出てきたときにさっと反応できなければ、難しく感じるのです。

でもそれは数Ⅲに苦戦しているのではなく、数ⅡBがぐらついているということが明らかになっただけです。

ということでもしそういう症状を感じたならば、まずするべきことは数ⅡBをざっと復習することです。そしてそれは短い期間でやってしまえばもっと効果的です。

高3になってから入塾してくるような子で数ⅡBの基礎が弱いと感じた子には数ⅡBのテキストを渡して1ヵ月以内に全部やるようにと伝えることにしています。

みんな必ずやります。

まあ、高3の子は意識も高いのでそれぐらいのことは誰でもできるということです。

じゃあ高2以下で数ⅡBを復習するとしたらどれぐらいの期間がかかるでしょうか?

1ヵ月はしんどいとしても、やっぱり2ヵ月ぐらいでしょうか …

あまりこれに時間を取られ過ぎると数Ⅲ自体に集中できませんから。

いずれにしても、遅れている状態から挽回するのはそんなに簡単なことではありません。あるとき気合を入れて、集中的に頑張らないと状況を変えるのは難しいということです。

頑張ってほしいです。