もう一つの方法

先日、特別クラスの報告をしました。

それは公立中学の優秀な生徒が公立トップ高校に入り、十分な演習時間を確保するための新しい方法を示したということでもあります。

すなわち、高校1年生の1年間で数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲの高校課程を学んでしまって高2、高3の2年間を演習に充てる方法です。

この方法はある程度優秀でなければこなすことができませんが、その点をクリアしているならば非常に優れた方法です。

これはこのブログでも何度も取り上げてきた内容ですが、「分かる」ことと「できる」ことは違うことで、実際の入試問題が解けるようになるためには高校課程を一通り終えてからの演習が重要になり、それを無理なくこなそうと思えば2年間という期間が欲しいのです。

それなのに一般の公立高校ではその演習期間を十分に確保しているとは言えず(堀川や北野でさえ半年間)、高3になってからはばたばたとした受験勉強をしているのが実情なのです。

そういう意味で、2年間の演習期間が取れるこの方法は画期的方法であると言うことができます。

 

しかし実はもう一つ有力な方法があります。

それは中1の1年間で中学数学を終え、中2から高校数学に入るのです。

今年、膳所高校理数科に入った生徒はその方法で中3の8月いっぱいで数Ⅲまで学びました。その後半年間の受験勉強で稲荷塾を離れ、この春合格して戻って来たのです。今は演習1のクラスに所属しています。

もう1人は小学生のときから来ていたのでもっと早く進み、中2いっぱいで数Ⅲまで終わりました。中3の1年間はその復習と受験勉強に充て、この春堀川に合格しました。膳所の子と同様、今は演習1のクラスで学んでいます。

これらは順調に進んでいる生徒の例ですが、そこまで上手くいかずとも、中学生の間にせめて数ⅠAまでしっかり身に着けてしまえば、高校受験を終えて高1になってからは数ⅡBから始められるので、その後の学習が特別クラスの方法よりもっと楽になります。

もちろん、いずれの方法でも「どこかで頑張る」ということが必要になります。特別クラスでは高1で頑張ることになり、中学生の間に高校数学を学ぶ方法だと中2で苦労します。

ちなみに中1の1年間で中学数学をやってしまうところで苦労する生徒はいません。もしそこで苦労するようだと、高校数学はとても飲み込んでいけないと言えますし、量的にも中学数学全部を合わせても数ⅠAより少ないからです。数ⅠAを半年で学び、その少ない量を1年かけて学ぶわけですから、中1の1年間は算数から数学へ移行していくための準備体操のようなものだということです。