特別クラスの報告

特別クラスの報告をします。

これは今年度の新しい企画で、高校課程:数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲのすべてを高1の1年間でやってしまって、高2からの2年間を演習にあてようとする試みです。

無理を言っているようですが、反転授業でなら可能で、堀川や北野の上位層であれば特に無理をせずともこなせると考えています。

実際、今年の参加者は堀川2人、北野1人、その他2人の計5人ですが、2人が予定より少し遅れ、残る3人は予定通りの進度で数ⅡBの最終盤までやってきました。

 

一般的に数学の授業では「板書」してから生徒がそれを「ノートに写し」、その後説明が始まりますが、この「板書」と「ノートに写す」という作業の時間が授業時間の半分ぐらいを占め、非常に非効率的です。

それに対して稲荷塾の反転授業ではこれまで私が授業で話してきたことを整理して作った参考書「稲荷の独習数学」を用いて予習し、そこで「分かった」ことを実際に「できる」ようにするための授業をします。すると「板書」と「ノートをとる」という作業は不要となり、2倍の進度で授業を進めることができます。予習に必要な時間は平均して1日30分です。

反転授業を始めるまでは1週間に1回2時間の授業で稲荷塾のテキストを1ページずつ進めていましたが、今では2ページずつ進めています。事実上2倍の進度で進めるようになりました。これにより数ⅠAも数ⅡBも数Ⅲもそれぞれ半年で学べるようになったということです。

さて「予習に必要な時間は平均して1日30分」と書きましたが、これは個々の能力により大きく異なります。1日1時間以上、あるいはもっと時間がかかっている生徒もいますし、逆に半分ぐらいの時間で十分にこなしている諸君もいます。

そうすると、優秀な諸君、ここでは堀川や北野の上位層を想定していますが、要するに普通に勉強を進めていけば東大や京大に受かるであろうと思われるような生徒であれば3倍の進度で進めることができるだろうと考えたわけです。それが「特別クラス」です。

はたして、その通りになりました。

 

ちょうど先週の土曜日、特別クラスの生徒のうちの1人で北野の子が予習して来るところを間違えて、その場で予習してから小テストを受けるということがありました。想定される時間は45分かける6日ですから4時間半ほどですが、彼女は1時間ほどで予習ができたと言い、小テストを受けました。80点でした。

このごろ小テストを難しくしていることはこのブログにも何度か取り上げている話題です。ここで「この程度の予習をしてほしい」というこちら側の基準を示そうとしているのです。ですから上のクラスでもしっかり頑張っていないと75点をとることができません。下のクラスだったら大概25点か0点です。

なのに、たったの1時間、つまりこれを6日に分割したとすれば1日10分の予習で1.5倍の予習をしたのです。

 

そんなものだと思います。

頭のいい子の理解力は驚くほどのものです。

これはケンシロウを見ていて実感しました。

彼は中1の8月の終わりごろに問い合わせてきて「中学数学は自力で終わらせたけれども、あと半年で高校数学を終わらせることができるだろうか?」と言ったのです。灘の数学研究会では中1で高校課程を終了させることが推奨されているのです。

実際は7カ月かかりましたが、まあ約半年間、特別クラスの2倍の進度で進み、高校課程を終了させました。しかも中1です。

これを見ながら、堀川や北野の上位層であれば高1の1年間で高校課程を終了させることができるだろう、というか、できて当然と思ったのです。

そして今、特別クラスの子たちを見ながら私の直感が正しかったことを実感します。

 

ですから、この企画は来年度も継続します。

ただ、個別指導で行いますのでそんなに多くの生徒を見ることはできず、10名限定にします。

土曜日の14時から21時の間で最低2時間は取れるようにして来てください。

 

なお、高1で高校課程を終了した後、高2からは演習に入りますが、演習クラスでの負担は急激に軽くなります。基本的に週に4問の予習をして来ることが宿題ですから。

ということで、高1での予定が多少遅れて高2にずれ込んでも大丈夫です。まじめな子ほど予定より遅れることを気にしますが、3回4回の授業分ぐらいの遅れであれば問題なく演習に入ることができ、遅れた分も補うことができます。