小学生部の考え方

小学生部に関する話題が少ないという指摘をもらいました。

まあ、このところ数学の本の原稿作りで追いまくられていましたので、気持ち的にも余裕がなかったのかも知れません。

すみません。

ただ、原稿作りも終盤に入りました。つまり、東大・京大の問題をどんどん解いて、説明に適した問題を選ぶというしんどい部分は終わりました。

今は、説明の仕方を吟味したり、最後の調整をしているところです。

ということで、もう、今週ぐらいからは午前中はゆっくりするようにしています。

 

さて、小学生部ねぇ …

 

まず、私自身の経験では、小学校での授業が究極の退屈だったという面があります。

分かったようなことを繰り返し繰り返しやり続け、無意味なドリルを課せられ、…

要するに、上位層を引き上げるという思想はなかったと思うのです。

 

ですから、稲荷塾で考えているのは、上位層が楽しめるクラス作りです。

上位層って、大体学力上位1%ぐらいのことです。つまり、東大・京大レベルということです。

 

じゃあ、実際にそういうレベルの生徒ばかりなのか?

そうではありません。

でも確実にレベルは上がってきていると感じています。

というのは、ほんの2年ほど前までは、「学力上位1%ぐらいの生徒」は10人に1人もいませんでした。

その結果、彼らの多くは中学数学のクラスに入ってから苦しむのです。つまり、中学受験をして中1になってから新しく入塾して来た生徒にどんどん抜かれて行くのです。

高校数学に入ると、ついて来れない生徒が続出しました。

これではいかんなぁ、と感じていました。

 

まだ改革の途中ですが、ざっと見てみると、稲荷塾小学生部に在籍している生徒の半分近く、少なくとも3分の1以上は「そういうレベル」あるいは、そういうレベルになりうる可能性のある生徒です。

一応、小学生部は「広く」、中学数学のクラスは「少し絞り」、高校数学のクラスからは「本気で」と考えていますが、ある程度レベルをそろえないと、いいクラス運営ができないのも事実です。

なぜ、小学生部は「広く」と考えているかと言えば、勝負は、本人が自分のモチベーションによって動き出してからだと思うからです。

もう少し具体的に言えば、それは中学生以降になります。

つまり、小学生には「辛くても頑張ろう」などというモチベーションはありません。

楽しいかどうかがすべてで、必ず親が先行することになります。

ですから、小学生の間は本人もまだ自分の才能に気付いていないということもあるからです。

ですから、小学生部は「広く」です。

しかし、広過ぎるとクラスの雰囲気、集中力の度合いが下がりますし、その後中学数学のクラス、高校数学のクラスに移行したときについて来れない生徒が出てしまうという問題が生じるのです。

 

じゃあ、どれが「広く」で、どれが「広過ぎる」のかは明確に言うことができません。

私の感覚で言えば、現状はまだ広過ぎます。

だから、もう少し「絞ろう」と考えています。