負荷を考えて課題の調整を模索する

松谷です。

生徒の都合などに迎合しすぎて、やるべきことをやらせないということはよくないと思いますし、それでもし低いレベルにとどまってしまうとしたら、多少ムチをもってでも、お尻を叩かなければならないこともあるでしょう。

ただ、それでもどうしても厳しい場合などもあるとは思っています。そんなときにもムチでたたいたら生徒は潰れてしまうとも感じます。

それでついてこれる層だけを拾うという考え方もあると思いますが、そうしない方がいいケースもあるかと思います。

 

例えば、新年度からスタートする「A会話の準備クラス」については、3ヵ月で中学英語をやるということでまぁまぁ負荷が高いわけです。

僕としてはもちろん最短で効率的な形で進めたならば十分できるという確信があって、準備クラスを担当させて頂くわけなのですが、そうはいっても、普通の中学が3年間36ヵ月かけてやるところを3ヵ月でやるわけなので、12倍のスピードということなので、まぁまぁ負荷は高いわけです。

高校3年生のまったく英語をわからない人が3ヵ月やる場合と、中学1年生の英語をこれから習っていく人が3ヵ月やる場合だと、やはり少しモチベーションとか切迫感とか意識とかそういったものが違うとも思うのです。そして、中学1年生をむやみに挫折をさせるにはいかないなぁとも感じます。

ということで、ひとつ、生徒の負荷調整策を考えています。それは、

覚えるのが苦しいという申告があった生徒については、英単語を覚える負荷をす減らすということです。

IMG_4450

減らす案としては、中2中盤以降くらいの内容については、いったん英語から日本語の意味を言えるだけでOKとするということです。日本語から英語のスペルを書けることを求めないということです。

たいして減ってないじゃないかと思うかもしれませんが、そうではありません。劇的に減ります。どれくらい減ると思いますか?

一般に、英語から日本語の意味を言えるようになる負荷と、日本語から英語の意味を言えるようになる負荷については、3~4倍くらい負荷が違うといわれています。即ち前者だけに絞ったら、4分の1くらいの負荷になるということです。

これならばかなりやりやすくなると思いますし、一応このあたりが譲れない一線なのかなとも感じます。ちなみに、日本語の意味を言えるようになるだけでいいなら、ノートに書く必要はゼロになります。音声は一度聞いてインプットしたうえで、単語帳を開きながら、赤シートで隠して、単語を自分なりに発音したあと日本語の意味を言ってみるというようにすればよいのです。それをひたすら繰り返せばよいのです。

 

もちろん、中学英単語は、高校英単語と異なり、間違いなく、すべての単語について、日本語から英語のつづりも書けた方がいいですし、話せた方がいいものです。

そして、日本で育った生徒なら、日本語から英語の反射スピードをかぎりなく上げておくことはスピーキングにかなり効いてくる訓練であると思います。(通訳者のトレーニングの一つであるクイックレスポンスと言います。)

まぁそんなことはわかっているのですが、それでもまずは乗り切ってもらうことの方が大事ですし、その後、覚えてもらうのでもいいというような柔軟さも持っておきたいと思います。(その場合、少しだけ準備クラスの修了が遅れる可能性はありますが。。。)

そんな風に今考えています。

 

また、逆のケースもありうると思うのです。余裕がある生徒には、追加の課題を与えるということもできると思うのです。

基本の文法、ボキャブラリー、発音、などを教えることを軸にするのですが、それでいきなり実際のスピーキングがばりばりできるということはまずあり得ません。

もちろん、Carmeliaと一緒にしゃべりながら自然に上達していきますので、心配はないのですが、それでも最初はかなりしどろもどろになると思います。ということで、そんな生徒の最初の助走を少しでも助けてあげる意味でも、スピーキングの導入となるような、以下のような本を推薦し、やりたい人は、追加課題としてやったらいいかと思います。(Carmelia にも確認していて、 内容についてはOKをもらっています。)

 

IMG_4720

もちろん、これは、3ヵ月で完遂できるようなものではありませんが、それでも、手元においておくと最初すごく心強いものだと思います。そして、ある程度、慣れてきたらこれを手元から離してCarmeliaとの会話に没頭すればよいと考えています。

 

まあもちろん、準備クラスについては、気合をもって身に付けたいという人だけに来て欲しいと思っていますが、それでも集団授業形式で教えるので、ある程度生徒の状態に幅があると思いますので、できるだけ柔軟には構えたいなと感じている次第です。