低学年で英検準1級の後、英検1級かTOEFLか?

松谷です。

最近はほんといろいろなお子さんがいますね。

昨日の2018年へ向けての稲荷塾説明会で、熱心な保護者様への質問に答えるうちに、二つくらい同じ事例に出くわしました。

低学年(中1とか小5とか)で、英検準1級なんです。その後どうしたらよいでしょうか?

 

というものでした。

 

まあまず、ひと昔前ならありえないようなレベルの人がこんなに近くにポンポンといらっしゃることに時代が変わったなと感じました。(稲荷塾の塾生の中にも、小学生や中1でそれくらいのレベルの人が何人かいます。)

 

なるほど。確かに悩ましい気がします。

 

 

何故なら感覚的には、英検準1級と英検1級の間にはかなり開きがあるように感じるからです。必要語彙数で見るとわかりやすいのですが、6000〜7000語あったらOKとされている準1級と12000〜14000語程度必要とされる英検1級ではだいたい倍くらいなわけです。(追加分は、日本の学校教材たちのなかでは、なかなか出会わない単語たちなので忘れやすいです。)さらに、二次試験のスピーキングで求められるのは、社会性のある話題についての意見なので小学生などが語れるものなのか少し疑問ではあります。となると、英検1級の合格というのを手に入れようとすると、かなり時間がかかってしまうわけですね。真剣に密度高く勉強しても、丸1年はかかると思います。(普通はもっとかかると思います。)

 

そして、現在の受験制度の中ではあまり英検1級とったからといってめちゃめちゃ有利になるわけではありません。入試は語彙なども制限されてますし。

そして、僕の個人的な感覚では、日本の学校英語の延長色が強い英検には何か試験としての偏りを感じてしまうんですね。正直。

 

ということで、合格不合格ではなく、点数で評価が決まり、よりグローバルの視点の試験ということで、TOEFLの方がいいのではないですか?とお伝えしました。特にもし海外大学進学も視野に入れて考えるならなおさらですねと。

 

英検準1級くらいでしたら、TOEFL60〜70点くらいになるでしょうから、満点の120点までだいぶありますから、自分の向上がわかりやすいかなと思った次第です。まずは80点、次は100点と目指していけばいいなと思いました。(100点がアメリカの有名大学の英語基準です。)また、TOEFLの対策は英検1級の対策にも通じるところは結構ありますしね。語彙だけは英検1級用に別に覚えないとダメですが。(やり方をきちっとしたら、3ヶ月で覚えられますが。)あっ、TOEFLは今の大学入試英語のいくつかとも相性がいいですね。東大入試英語など。

 

ただ、英検の良さをいくつか伝え忘れたので、ここに挙げておきます。

 

英検も、最近グローバルスタンダードの英語試験になることをめちゃめちゃ意識して、CFER(ヨーロッパにおける言語の共通の到達度指標)に対応するということを宣言しております。

 

まず配点をいじりました。これまでの語彙重視というところから、4技能均等配点になりました。(問題数のバランスはまだ、是正していませんので、ライティングはひとつのミスに対する比重が高すぎますが。あと、ライティングとスピーキングについては、採点基準が明確なのかを少し疑います。採点官の技量も不明です。)

 

また、合格不合格という判定がメインではあるんですか、同時に到達度の点数を出すようになりました。英検1級不合格の2520点みたいな。各技能の点数の詳細もわかります。

 

そして、日本の学校の中で抜群に知名度があります。「英検1級なんだ!」と「TOEFL110点なんだ!」だと圧倒的にTOEFL110点の方がすごいですが、なんか英検1級の方がすごいと勘違いする人もいるかもしれません。

 

また、今の中3生以下の生徒にとっては、受験において、英検がもう少し重要になる可能性は高いです。つまり、英検による優遇が有名大学でも結構あるかもしれないということですね。これは、TOEFLもですが。ただ、政治力としては、英検の方が強いと思います。

 

まぁ、なんかいろいろ言ってきましたが、はっきりいって、こんな資格試験のことばっかいってるのはどうなんだろうとも実は思ってはいます。

 

もちろん自分は普通の人よりそういうのに詳しいと思いますし、自分の知見を隠すつもりもまったくないですので、皆さんに提供するのはなんでもします。

 

ただ、カーメリアあたりに言わせれば、またテストのために勉強するの?って感じで言われそうですね。。。(汗)

 

とにかく、僕は、稲荷塾の塾生さんには、自分のできる範囲なら、どんなアドバイスでも情報提供でもいたしますので、使ってくださいな。ではでは。