飛躍の法則

一昨日、昨日の数ⅠA、数ⅡBの授業では、勉強のやり方を伝えました。

加法定理を証明せよ。

Σk^3の公式を導き出せ。

点と直線の距離の公式を導き出せ。

といったような基本的な問いかけに、すらすら答えられるような生徒はいません。

それで、答えられないのであれば「稲荷の独習数学」を読んで理解し、理解したら本を見ないで自分で再現してみるように、という作業をしたのです。

こういった内容は重要だと、もう何度も繰り返し言ってきましたが、そう簡単に定着するものではないことも知っています。

ですから、もう一度時間を取ってやってみました。

読んで理解したら書いてみるわけですが、なかなか書けないのです。あれ、どうだったっけ? と詰まるのです。

とすると、「読んで理解した」というレベルがかなり怪しいものだということが実感として分かるのです。

実はこういうことは、人に教えてみれば一番よく分かります。

人に教えようとすると、どんな道具を揃えておかなければならないか、ということに始まり、どういう順序で説明すればいいかを考えます。

そうして準備しても、いざ教えてみれば、あれっ、 これはどうしてなんだろう? などということが頻繁に起こるのです。

これは私の経験です。

数学を教えるようになって初めて数学を学んだように思います。

そういうことですので、生徒諸君にはこの私の体験を追体験してほしいと願っています。

特に今のように年度が変わろうとしているときなんかは一つのチャンスです。これまで学んできた内容をもう一度整理してみる上でも、上記のようなことにトライしてみるといいと思います。

一つ一つの公式や定理を「知っていて使えたら OK」としていた段階からぐっと一段階飛躍することができると思います。