東ロボくんって?

松谷です。

東ロボくんってご存知ですか?

 

人工知能AIを駆使して、東大の入試の合格を目指すというプロジェクトがありまして、そこで使われるロボットを東ロボくんと言います。

このプロジェクトの発端には、我々の社会で、大規模な統合的な知の選抜が行われる最後で最大の機会に、AIに挑戦させることで、将来的にAIが人間の仕事のどの部分を代用するかを占うという意味がありました。

 

2011年?プロジェクト開始後、しばらくした後、まずは、第1目標としての東大足切り突破のために、2013年センター試験の模試受験から始めました。

最初は、かなり苦戦していたものの、

2014年に偏差値50近くを達成し、箱根駅伝に出てくるような有名私大合格レベルを達成。2016年は偏差値57を達成し、マーチや関関同立の一部まで含む有名私立大学合格レベルまで達しました。(ちなみに、これは当初の予定通りみたいです。しかし、2015年とはほぼ横ばい。)

こんな感じです。

http://www.nii.ac.jp/userimg/press_20151114.pdf

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そこで、満を持して東大模試などの受験を本格開始しました。

(東ロボが得意だろうと判断した世界史と数学だけです。一応、2013から記述模試も受けているみたいです。)

 

センター試験などと違い、自分でかなり思考しなければならないこと、ほとんど全て記述しなければならないこともあり、さすがになかなか厳しいのではないかと思われました。

事実最初は苦戦しました。

しかし、一昨年、昨年とこのような成績を収めました。

http://www.nii.ac.jp/userimg/press_20151114.pdf

 

http://www.itmedia.co.jp/enterprise/spv/1611/15/news063.html

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確かにいろいろと不安定だったりするのですが、目を見張るのは、2016年の数学です。

東大プレという東大模試で、6問中4問完答で、120点中80点でした。偏差値も東大模試内で76.2。

これは、数学において、だいたい東大理三とか京大医学部に合格するために必要とされている基準の点数です。場合によっては、それよりいいくらいです。

正直驚きました。

あの読み解きが難しかったり発想が難しかったり、記述が大変だったりする問題を4完?!

 

しかし、4完ぴったしというところに、ヒントがある気がします。

 

高速処理ロボットにあまり時間切れの概念は関係ありません。

つまり、残りの2問に関しては、ロボットがなかなか対応できなかった問題ということです。

 

はっきりと出ていませんが、2015年の東大模試の結果詳細なども合わせると、どうやらそれは、確率や数列などの問題文の真の意味を読み解いて、数式化するまでが大変な問題のようです。そのような問題に対しては、コンピュータは、たまたま過去の問題ベースと照合して、解ける場合があったとしても、その問題の意味はわかっていないのです。

 

逆に、たぶん複雑な積分とか、ただの軌跡の方程式を求めるとか、極限を求めるといったことはできてしまうということかなと思います。また、問題文を数式化できてしまえば、ほぼすべて短時間で処理できてしまうのだと思います。

 

実際、この人工知能研究を待たずとも、計算に関しては、我々は既に計算機やコンピュータなどにかなりの部分を代替してもらっています。

 

つまり、ただの、処理や計算に関しては、コンピュータには勝てないのです。

 

しかし、問題を読み解いて、「真の意味を理解する、そして、それを数式化する」といったところに関しては、まだまだ、我々が勝っているわけです。

 

英語とか国語に関しても、単純に文章を機械的に照合して統計処理的に答えを推測するのはできても、意味を理解する、文脈を理解するというが、極めて難しかったようです。ただの、和訳はできたとしても、理解はできていないのです。

 

このような状況の中で、プロジェクトチームは、今の技術の延長線上では東大合格は厳しいということを判断し、今回、東ロボ東大合格プロジェクトを断念したようです。

 

ここから見えることは、今後、我々が、生徒さんが、世の中で、人工知能に使われるのでなく、人間として意味のある仕事をしていくためには、ものごとの意味をきちんと考える能力こそが、大事になってくるのではないかということです。

 

計算だけしても数学ではないです。公式だけ覚えても数学ではないです。

 

一見新鮮に見える問題文を読んで、その真の意味を考えて、ときには試行錯誤して、既存の知識に帰着させたり、組み合わせたりしていくことが大事な力なのだと思います。

 

稲荷塾でなら、演習1や2の時間が勝負だと思います。そこで、その力をじっくり育成していきます。

 

その読み解く力をつけていって今後の人生を力強く生きて欲しいなと思います。僕もがんばります。

 

 

追記:

上記のことを想うと、国語の現代文に代表されるような複雑な現代社会を、数学に代表される意味の理解と論理性を使って数式化・モデル化し、コンピュータに代表される解く力に繋げていくことこそが、これからの人間に求められるのではないでしょうか。

それを育成する一端を担うとすれば、数学の先生の意味もすごくあるなぁと改めて感じました。