中高一貫校とそうでない高校の違い

昨日の続きを書きます。

まず、昨日書いたことを要約すると、中高一貫校でない高校の場合、茨木高校のように「高3になってから数Ⅲを始める」というシステムは、残念ながらハンディになるのではないかという話でした。

この記事を書いた後、ある地方のトップ高校の先生からメールがあり、やはり高3の5月いっぱいで数Ⅲが終わるように組んでいるとの情報をいただきました。数Ⅲが終わった後は理科に集中させるために、センター試験対策をぎりぎりまで遅らせているとのことで、要するに私の主張に全く同感だという内容でした。

さて、この続きですが、このように工夫をしてもやはり中高一貫校の方が有利になります。

中高一貫校の場合、中3から数ⅠAに入るからです。

そうすると、数ⅠA、数ⅡB、数Ⅲのそれぞれに1年ずつかけても高2の終了時点ですべてが終わるので、高3の1年はまるまる受験対策に充てることができるのです。

この中高一貫校とそうでない高校の違いは、一つは受験に有利かどうかという違いとなって表れるとともに、クラブ活動に打ち込める時間的余裕があるかどうかの違いともなります。

かつて洛星が高校からの外部受験生を募集していたとき、高1の1年間で数ⅠA、数ⅡBをして、高2からは中学から入学した生徒と合同クラスになるようにしていました。

しかし、もう10年以上前に高校からの外部募集をやめました。それは中3から高校数学を始めている内部生の進度に追い付くためのやり方がなかなかうまくいかず、結果として大学への進学実績が思うようにいかなくなったのではと推察します。

洛南も苦労しているように見えます。

かつて高校からの外部受験組のクラスはⅢ類A、Bと呼ばれ、内部進学組と別クラスでしたが、浪人率が非常に高かったです。

洛南は改革するスピードが速く、統一的方針であるかどうかが分かりにくいですが、今の高2からかつての洛星方式を用い、つまり高1の1年間で数ⅠA、数ⅡBをやってしまって、高2から合同クラスにするようにしているようです。それで、成績上位の2クラスのうち、高校からの外部受験組の占める割合は1割程度だということで、内部と外部の人数がほぼ同じであることを考えると、やはり外部が苦戦していると言えるのではないかと思います。

要するに、中高一貫校とそうでない高校の差はかなり大きく、高校受験のために頑張ったことが大学受験には活かされにくいということです。

実は私も、この差を埋めるのは容易でないと感じていましたが、今は考え方が変わりました。

反転授業という方法があったからです。

この続きはまた後日に書こうと思います。